男は黙って頭にハチマキ。
『ルールは簡単。4人1組で騎馬を作り、1人はハチマキを付けて上に乗る』
『ハチマキを取られたり、上の子が地面に落ちたら失格だよー!!要はハチマキを取れば点数になるってコト!!』
『騎馬を崩して戦うのも有り、ハチマキをしている奴が地面に触れなければ良いから』
「うわー!楽しそー!!」
「燃えるな…」
「いや、どの辺が…?」
遠い目をしている連夜の気持ちも解らなくもないが…
正直、俺も楽しそうだと思ったのは黙っておこう。
騎馬戦か…まぁまだ1年だし、そこまで激しい乱闘にはならないだろうな。
「楓!楓!!」
「い゙だだだ!どうした連夜」
ボンヤリしていると連夜が俺の肩をバシバシと叩いてきた。
「今スクリーンに写ってるの柚くんだよ!!」
連夜の指を辿って見えたのは以前、2年の親衛隊に役立つと罵られていた榊原柚だった。
ガタイの良い男達を土台にして、真剣な表情でハチマキを締めているその姿は男らしく見える。
「柚…」
「…大丈夫なのか?」
「でもなんか顔つきが男らしかったな!」
「心配だなー……あ!康人くん!」
画面がまた変わり、見知った顔が写ると、すかさず連夜が声を上げた。
「ぶはっ!あいつハチマキ超似合うー!!」
「寿司屋にいそうだな…」
「ねじりハチマキとかね」
確かに似合う。
とゆうか顔がすごい悪人顔なんだけど…さすが和緋の弟だな。
喧嘩好きの所も激ソックリ。
それより柚が心配だ…
ライオンの檻にウサギを放り込むようなもんだろう。
康人に修行を付けてもらっていると聞いたが…不安すぎる……
(絶対に、無理だけはするなよ…柚……)
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