和緋、大型犬決定。
玉の数を数え、集計するのは生徒会。
とは言っても参加していた颯斗達は除かれ、日比野と葉月の2人だけだ。
「なんであいつ等なんだ?普通教師じゃね?」
ふと、隣にいた和緋が疑問を口にした。
「教師に生徒を差別する奴がいるから信用できねぇんだよ」
「へーでも『金狼』達も差別するかもじゃん」
「あいつ等は、ンな腐った事しねぇさ」
「…………」
「……どうした?」
反応のない和緋を見ると目の据わっている和緋と視線がぶつかった。
頬も膨らませ唇を尖らせているその姿はまるで拗ねた子供みたいだ。
「なに拗ねてんだ?」
「……俺だって差別なんかしねぇもん」
「はァ?」
何に拗ねてるのか分からんが、こいつは昔から俺の理解できない事で拗ねたり怒ったりする変わった奴だ。
やっぱり、昔から全然変わってねぇな…
その度に俺が頭を撫でてやると、大人しくなった。
(全く…)
「…よしよし」
「!!…っ楓!?」
「ん?嫌なのか?」
「……嫌じゃない…」
目を見開き、俺を見てきたが首を傾げて聞くと、ゆっくりと顔を俯かせた。
昔とは少し違う反応だけど…大人しくなったから良いか。
(やっぱ和緋は大型犬だな…)
「……楓、絶対に峰岸のこと"大型犬"って思ってるよね」
「あのクソ犬…丸刈りにしても良いだろうか」
「ダメだよ悠。どうせ刈るなら後ろに"僕はイ●ポです"ってやらなきゃ…」
「………貴様だけは敵に回したくないものだな…」
もちろん、後ろでそんな会話がされていた事は俺も和緋も全然知らなかった。
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