俺がいつ放置プレイをしたんだ。
『きゃぁあー!!縁様ァアア!!』
『素敵ィ!』
え、何この歓声?
まさかレタスって…親衛隊持ち?
うわぁ…世も末だな。
「かえちゃーーーーん!!!」
「……え゙」
レタスに視線を向けると俺を見ながら手を振っていた。
しかも超笑顔。
実は、本部の方にめちゃくちゃ大きいスクリーンが用意されてあり、競技中の選手の様子がそれで見れる。
さすがは無駄遣い学園だ。
「かえちゃーん!!ウチの活躍見た!?こっち向いてー!!」
「……………」
「…楓…なんか呼んでるよ…」
「知らない。見えない。聞こえない」
「こっち向いてよかえちゃー…はっ!!まさか放置プレイ!?うはー!!やばいよかえちゃん!そんな事されたらウチ勃っ…ふがっ!!!」
『……何やっているんですか棗…と雅くん…』
レタスの台詞が途中で切れたのは、実況をしている筈の日比野と競技中である颯斗がレタスに飛び蹴りをかましたからだ。
わー息ピッタリ。
「競技中に遊んでいるこの青虫がワリィんだよ」
「楓ちゃんに放置プレイをされるなんて5年早いんですよ!」
俺がいつ放置プレイをしました?
視線が痛い…
レタスの親衛隊か棗の親衛隊、もしくは颯斗の親衛隊…つーか把握しきれない程の視線が俺に刺さっている。
ピーーーーーーーー!!!!
『おや、時間切れみたいですね…棗、早く戻って下さい。玉の数を数えるんですから』
スピーカーから聞こえる笛の様な音。
高く鋭いその音はグラウンド中に響き、生徒達は冷静を取り戻した。
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