side:碧
「つ、疲れました…もう限界……」
「ミヤビーン!!頑張ってミヤビン!!立ってミヤビン!」
うー…せっかく18点も入れたのに!
これじゃあ抜かされちゃうよー!!
「碧、周りの奴が俺達の真似してきたよ」
「え!!」
茜にそう言われて見渡すとそこら中で肩車をしていた。
うきゃー!
やばい!!
『Sクラス、20点で止まってます!その間にABクラス25!CDクラス19!』
『おいこらSー!!バテてんじゃねぇ!!』
「くっ……マズイですね…ビリだけにはなりたくないです…!」
「よし。いけるか、雅」
「頑張ってミヤビン!!」
ボク達は5キロの玉をできるだけ持ってミヤビンの肩に乗る。
腕がプルプルする…
でもミヤビンはボク達2人を肩に乗せてるんだ。
足もガクガクしてるのがすごく分かる。
頑張らなくちゃ…ミヤビンの努力をムダにしちゃ駄目だ!!
「茜!!勝とうね!」
「もちろん!」
『Sクラス、復活してきましたね。一気に32点……あっ』
『!!』
――ドスゥン!!!
『きゃああ!!』
『うわっ!……な、何だよ今の!!』
突然、グラウンド中に響く音。
まるで鉄の塊が地面に落とされたようなそんな音だった。
それにみんなが驚き、肩車が崩され、音がした方向に視線が集まる。
『……マジかよ…』
砂埃が晴れてナツの声と共に見えたのは1つの人影と…
『…柱ごとカゴを…落としやがったのか…』
鉄で出来ているはずの柱がポッキリ折れて、カゴと一緒に倒れていた。
『3−B…影宮…健くんですね…』
ハヅが呟き、砂埃が完全に消えて無くなると、そこに立っていた影宮健はニコリ、と分かる人には分かる作り笑いを浮かべた。
「…すみません。まどろっこしいので折っちゃいました。…案外カンタンに折れますね」
『…………ふふ…いい度胸ですね……』
((ブリザード!!!))
同様に、ハヅもニッコリと(目の笑っていない)笑顔を作ると、グラウンド一帯の気温が著しく下がった気がした。
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