予想外?大丈夫、いつもの事だろ。
『では玉入れ………始め!!!』
――パァン!!!
日比野の声と共に銃声が鳴り響くが、玉入れの参加選手は戸惑って動かない。
「…………楓…」
「……まぁ…予想外の出来事とゆうのは人生においてたくさんあるよな。頑張れ颯斗ー」
「うわー心篭ってねぇー」
うるさいよ和緋。
大体、玉入れの難易度を上げる意味が分かんねーよ。
なんで5キロ?
「…雅では無理だろうな」
「あの雅と一緒にいるのって情報屋だよな?」
「宇野先輩って意外と運動神経あるよね確か」
運動神経ならな…
だがあいつ等には腕力が無い。
力だけなら颯斗のが全然あるだろうな。
『おいどしたぁ!!さっさと動けぇ!!』
『落ち着いて下さい棗』
『なんの為にカゴを低くしたと思ってんだコラァ!!カゴに玉を入れりゃ済むんだよ!!』
動きを見せない選手達に痺れを切らしたのか、日比野が怒鳴り、選手達を煽る。
「…なるほどな」
「だね」
「??」
「え、何が?」
連夜は俺の言葉に頷くが、悠と和緋は首を傾げる。
……和緋って本当に次席なのか?
「つまり……あーゆう事だよ」
連夜が指を差した先には、数個の玉を抱えた宇野兄弟と…その宇野兄弟を背負う颯斗の姿。
颯斗の両肩に宇野兄弟が立っていた。
「うぉわっ!!雅すげぇぇえ!!!」
「信じられんな……あの雅が…」
…連夜の修行を始めた日からあいつ、筋トレしているんだ。
夜、寮の周りを走っている所を偶然見ちまったからな…
頑張り屋なんだよ、颯斗は…
「玉が重いなら投げなければ良い。ああやって入れるなり、カゴを落とすなりしろって事だな」
(まぁカゴを落とすのは難しいだろうが…)
「……なんだこの絵面…肩車大会か?」
「…それがこの学園なんだよ」
諦めろ和緋。
『やるじゃねぇか2−S雅ぃ!!』
『3−S宇野兄弟と協力してSクラス、まずは18点先取!!』
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!