side:颯斗
「あはっミヤビンも出るんだね!!」
「S組だから仲間だな雅」
なんとか会長のカウントダウンに間に合い、ほっと一息つくとさっきまで実況をしていた宇野先輩達が僕に話し掛けてきた。
ちなみに碧先輩が言う"ミヤビン"は僕のあだ名らしいです。
「ぅう…本当は僕じゃないんですけど楓ちゃんが……」
「「ドンマイ!!」」
寸分違わずピッタリハモる辺り、さすが双子と思いますね。
『静かにしろてめぇ等!!』
『みんな集まりましたね…では説明があるのでちゃんと聞いて下さいね?』
間近で会長が怒鳴ると周りが静かになる。
それを見計らって副会長がニコリと笑った。
けど目が笑っておらず、さらに周りが押し黙った。
まぁ僕は慣れてますけどね。
それより…
「………説明?」
って玉入れのですか?
てっきりそのまま始まるのかと思ったんですが…
「今年から玉入れもちょっと変わるんだよー」
「えっ聞いてませんよ」
「一般生徒には言ってないもん。ミヤビンが知らないのは……ただ言うの忘れてたからだよ!」
「そうゆうこと」
ぇえー…そんなキャハ!!みたいな顔されても困ります碧先輩。
茜先輩も頷かないで下さい。
『説明といってもすぐ終わりますからね』
『よく聞けてめぇ等。今年から玉入れの仕様をほんの少しだが変える!』
『みんな後ろを見て下さい』
副会長の言葉で皆が一様に後ろを振り向く。
(?)
そこにあるのは普通の玉入れの設備だった。
3メートルほどの大きなカゴにたくさんのボール。
まぁ普通より違うのは質が良いとゆう事でしょう。
(一体どこが変わったんですか…?)
『おい雅』
「はい!?」
『そこに転がっているボールを一つ持ってみろ』
「え?あ、はい…」
いきなり会長に指を指され、言われた通りボールに駆け寄り、それを持った
ハズだったが…
「!?なっ…重っ……!!!!」
僕の動作と一言で玉入れ参加選手はざわめきだした。
可愛らしく顔が書かれていたボールは見た目に反してとても重かった。
誰がこんなハードな玉入れを考案したんですか!
バカですか!
『俺様が考案した5キロの玉だ。安全面も考えて柔らかい素材にしておいたから安心しろ』
安心できません!
とゆうか会長が考えたんですか!
『ふふ…では皆さん頑張ってくださいね。あ、無理して投げると脱臼しますから気をつけてね』
『………………』
どこが安全面!?
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