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side:葉月




「ふぅ……」


「おい葉月」



パン食いを終えて私が生徒会専用の応援席に戻ると棗が不機嫌そうに私を呼ぶ。



「何です?ぁあ…あんパンなら棗の分も持ってきましたよ」


「…何で吉原悠を見逃したんだぁ?」


「……………」


「てめぇらしくねぇじゃねぇか」


「………そうですねぇ…強いて言えば北条くんに嫌われたくなかったから……かもしれませんね…」



いくら力を付けたとしても私なら吉原悠を倒す事なんて簡単です。

でもそれをしたら…北条くんは私を許さないかもしれない。


いえ、絶対に許さないでしょうね。




「ハッ…てめぇ、あいつ等に感化されてやがんな…」


「ふふ…そうですね。でもそれも良いかもしれません…」


「参謀の『赤姫』が聞いて呆れるぜぇ…」


「まぁまぁ…本気で知りたくなったんですよ。北条くんの事が、ね?……棗もそうでしょう?」



口では邪険に扱ってても、内心は北条くんが気になって仕方がない様に見えますけどね。

棗は素直じゃないですから。



「冗談じゃねぇ…誰があんなオタク…」


「はいはい」


「くっそ腹立つ…!!」



本当に分かりやすいですね棗は。
だから碧達にも、からかわれるんですよ。


あ、碧達といえば…あの子達も北条くんの事を気にしてましたね…何かあったんでしょうか?




「おい聞いてんのか!?」


「次の競技は何ですか?」


「チッ…!玉入れだ」


「とゆう事は…」


「そうだ。さっさと行くぞ」





玉入れですか…今年は去年と違いますよ。

ふふふ…楽しみですね…






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