ヤンチャなお年頃なんだよ。
『"バトロワ式パン食い競争"スターート!!!』
--パァン!!
碧と茜の声を合図に銃声が鳴り響き、パン食い競争の出場者達が一斉に乱闘を始めた。
それと同時にものすごい歓声が上がる。
「はぁ!?なんでパン食いなのにバトってんの!?」
「あ、峰岸くんは知らないんでしたよね」
「忘れてたよ」
編入してきたばかりの和緋は目の前の状況についていけないらしい。
その気持ちは痛い程分かる。
でもお前…目が輝いてるぞ。
「このパン食い競争の正式名は"バトルロワイアル式パン争奪戦"って言ってね、その名の通り、戦って生き残った奴がパンを奪えるんだ」
「そんなハードなパン食い競争聞いたことねぇし!!つーか楽しそぉおお!!」
やっぱそれが本音か。
それより悠は大丈夫だろうか…
まさか鳳が出るとは思わなかったな。
「去年は楓ちゃんも出たんですよ」
「なにィ!?羨ましいな楓!!どうだったんだ?」
「楓ったら1人で全員ぶっ飛ばしたんだよねー?」
…何で去年の事なんて覚えてんだよこいつ等。
不可抗力だっての。
俺以外の選手全員が結託して襲ってきたんだからよ。
しかも全員が親衛隊の奴等だったし…
まぁ体育祭以来、親衛隊の連中はあまりちょっかいを出さなくなったから結果オーライか。
「あれはシビレました!!さすが僕の楓ちゃん!!」
「ん?"誰の"って言ったの雅…?」
「すみません!!!」
「へぇ〜1人で全員ねぇ…?」
「……んあ?」
俺の前にいた和緋がゆっくりとこちらを振り返ってニヤリと笑った。
…またなんかアホなこと言うつもりだな。
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