side:悠
「おや、奇遇ですね。吉原くん」
「…………」
「ふふ…そんな嫌そうな顔をしないで下さいよ」
嫌だから嫌な顔をしているのだ。
とゆうかなぜ貴様がパン食いなんぞに出ているんだ…
「……副会長でも競技に出場するのだな」
「もちろんですよ」
「……負けんぞ」
「私も負けませんよ」
前々からこいつの事は苦手だった。
苦手とゆうより嫌いだ。
胡散臭い喋り方、貼り付けた様な笑顔。
なにもかもが胡散臭い奴。
どっかのチームの副総長だか何だか知らんが、楓の敵は俺の敵だ。
負けてたまるか。
………峰岸にもな。
『さぁさぁやってきましたパン食い競争〜〜!!!なんと鳳副会長が出場だよー!!』
『ぅぉおおおおおお!!!』
『鳳様ぁぁああ!!!』
『頑張って下さぁぁあい!!!』
なんだこの声援は…
『撮影などは控えて下さいねー』
おい。
アイドルコンサートじゃないぞ。
…いかんいかん。
よそ見をするな、今は集中しなくはならない。
『みんなー用意は良いかなー!?』
宇野碧の陽気な声を合図にスタートに立っている出場者達は一斉に近くに居る者に向かい合い、構える。
なぜならこの競技は
『じゃあ"バトロワ式パン食い競争"スターーーーート!!!』
ただのパン食いではない。
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