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新たな幕開け。







【体育祭当日】



「楓、腕大丈夫?」


「ぁあ」



ついにやってきた。
体育祭当日。

広すぎるグラウンドには多過ぎる全校生徒が集まり、みんな一点の場所に視線が向いていた。





『静粛に』



司会者…もとい、副会長である鳳が一言発するとざわついていたグラウンドに沈黙が流れる。

さすがだな…




『ただ今から体育祭開幕式を行います。初めに……理事長挨拶』



「なぁ楓…俺、理事長に会った事ないんだけどよ…どんな奴なんだ?オッサンなのか?」



ぁあ…和緋はまだ藤に会ってなかったのか…

どんな反応するんだろ。



「お前も知ってる奴だよ」


「え、それって…」



『キャァァアアアアアアアア!!!』


『藤城様ァァアアア!!!』




ほら来たぞ。

理事長様が……
















『久しいな、諸君』





「………は?……おい…なんでこんな所に…」





『今日は思い切りハメを外せ。存分に楽しんで悔いの残らないようにな。----俺からは以上だ』






「『黒蛇』が居るんだよ……」






ほとんどの奴が藤に見惚れている中、そんな事は気にも止めず藤は壇上から優雅に降りた。

あのバ会長とはまた違う威圧感…カリスマ性というやつはあの頃とさほど変わっていないみたいだ。






「理事長だからな」


「マジかよ…」




『黒蛇』

チーム『HEAD ROCK』の元総長だった藤の通り名だ。
5年前の"あの紛争"の時に俺達と一緒に並んで先頭を切って闘ってくれた戦友。


藤城拓馬。




「はは…総長として挨拶にいかねぇとな……いつか…」



今こいつボソッと"いつか"って言わなかったか?
まだ藤の事が苦手なのかよ…






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