ふたつで ひとつ
３
「ん、しょっと」
「…な、なぁ」
「ん？」
「お前は、本当のバカ？」
「は？何が？」
「なんかもう、言葉を失うわ…」
「えっえっ」
「はぁ、だってさ、目開けたままキスするより、こっちの方が恥ずかしくね？」
「…なんで？」
「や、これ対面座位…」
「うん、それが？」
「おかしくね？」
「え、なんか変？」
「ヤる格好、だろ」
「あぁ、まぁそうだね」
「まぁそうだねってさぁ」
「だってさ、部屋で立ったままちゅうすんのもねぇ」
「うん、もぅわかった。お前に任せる」
「だってこっちの方が、エロチックでいいじゃん」
「ぶはっ、エロチックとかウケんだけど」
「いやいや、真面目だし」
「なぁ、俺らって本当に双子なのか、ってお前見てると思うよ」
「うーん。違かったりしてねっ。…兄貴と、本当に兄弟じゃなかったらよかったのになぁ」
「ぇ…なんで」
「んーなんと、なく？」
「あっそ。ってか、しないなら俺から降りてくんない？」
「え、いきなりどうした、の？なんか、怒ってる？俺気に触るような事言った？」
「怒ってねーよ。つーか邪魔だし重い」
「ぁ、…ごめん」
「…」
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