ふたつで ひとつ
4
「兄貴…」
「何」
「なんで怒ってんのか、わかんないよ」
「知らない。もぅこっちくんな」
「俺は、一緒いてーもん」
「は?ホントは他人がよかったんだろ」
「そんな事言ってない」
「同じだよ。兄弟じゃなきゃよかったのにって言ったろ」
「それは…」
「俺は、少し悲しかった」
「違う、兄貴話し聞いて」
「俺は、兄貴として、一人の人間として、ずっと」
「兄貴っ」
「小さなガキの頃から、愛してたのに」
「なぁ聞けってばっっ」
「ぁ、」
「落ち着けって」
「すまん、…熱くなって」
「ううん。ちゃんと言わなかった俺が悪い。なぁ聞いて兄貴」
「…あぁ」
「俺が兄弟じゃなきゃよかったのにって言ったのは、ちゃんと理由がある」
「…?」
「同性、でもさ、外国だったら兄貴と結婚、出来んじゃん?…だからだよ」
「…俺と、結婚したいの?」
「えっ、う…ん。特別な感じするじゃん」
「そっか」
「なんか、ごめんね。兄貴ちょっと怖かったけど、愛されてるわぁって思った」
「…忘れて」
「ぇ、?」
「さっきの、…ナシ」
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