何か? 2 靴を履こうと足を出した瞬間に、後ろから抱きしめられた。 ………ほとんど突進だったけど。 それでバランス崩す位の勢いで。 「…っぶな―…」 てめぇのせいだろ―が。 『…何、離してよ』 もう倒れそうじゃないし、いつまで抱き着いてんだ。 まあ倒れそうになったのも、この抱き着いてきたバカのせいだが。 「…浮気、しに行くのか。」 ……んで何を言い出すのかこのバカは。 そう思いつつ黙ってみる。 「俺がいるのにか。」 何だその言い方。 そう思いつつも、黙ったままでいる。 「俺以上の奴なんかいねぇよ」 言いながら、ぎゅっと抱きしめる力を強めるナギ。 「諦めろ、お前には俺しかいねぇ」 『何が言いたいの』 ……すでになんとなく読めてるけども。 それでもまだ冷たくする。 私が怒ってるのが、さっきのバカの「浮気しちゃうよ」発言に対してだって、ちゃんと気付いてないから。 それに気付いて謝らないと許さない。 [前][次] [戻る] |