何か？
1
私には、半同棲中(?)の彼がいる。
とは言っても、私がたまに通ってるだけだが。
ああ、同棲って言えないよね。
言ってみたかっただけなの。
そして、彼は少々変な人。
「ねぇ、何かつまんなくね」
さっきから、そんなようなことばっか言ってるコイツはナギ。
この部屋の住人で一応、彼氏。
見た目は結構カッコイイです。
『バイトでもしたら？』
私は忙しく洗濯中。
彼の分と自分の分、あとは脱水が終わったのを干すだけ。
「もうしてんじゃん。ね、ひ―ま！」
『増やせばって言ってんの』
正直うるせぇ。仕事の邪魔だ。
「そんなこと言っていいん」
『ど―ゆ―意味よ？』
うるせぇと思いつつもちゃんと対応してやる優しい私。
洗濯機から離れて近くに行ってやる。
それに気をよくして、悪戯っ子のような顔をするナギ。
「バイト先で浮気しちゃうかもよ？」
「バイトで帰り遅くなって構ってあげらんなくなっちゃうかもよ？」
………。
『…構ってほしいのはアンタでしょ、ちょっと黙って待ってなさい。終わったら構ってあげるから』
「別に構ってほしいなんてい『あっそ』
それから素早く仕事をこなす。
洗濯終了後、エプロンを外して化粧をする。
「え、どこ行くんだよ」
『別に』
買い物だよバ―カ。
「何、怒ってんの？」
『怒らせるようなことした覚えがあるのかしら？』
どうせ無自覚。
「…」
ほら当たり。
よし、準備も終わり。
『じゃ、出掛ける時は戸締まりちゃんとしてね』
鞄を持って玄関まで歩いて行く。
［次］
[戻る]
[小説ﾅﾋﾞ|小説大賞]
無料HPエムペ！
携帯モード]
[
URL送信]
