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Vongole Company
062相思相愛な脳内
「すみませんね、悠南…

残念なことに僕は午後から任務なので半日しか家庭教師ができません…!!」



広間に移り、ワッと泣き出す変態ナッポー。


いやね、大歓迎なんだけれども!!

しかもさっき綱吉さんから聞きましたから!!



私は変態ナッポーの言葉にブンブンと首を振った。



むしろやめない?

うん、なかったことにしよう?



「じゃあいっそやめましょうk「でもそんなことは言ってられません!」…え?」



一人でヒートアップする変態ナッポー。

ガッツポーズまでして自身に葛を入れている。



なぜそこでやる気を出す…?!




「数少ない悠南と二人で過ごせる時間です、有効利用しなくてどうするんですか…!!」



「は?」



変態ナッポーの言葉に思わず口をポカーンと開ける。

そしてコイツにまともな突っ込みしてもダメだ、と思い窓の外を見た。



北風がビュービューと吹く秋。

木にはもう葉などついていません。

落ち葉が北風とダンスしています。


あれ、今なんか比喩表現したよね、私。

擬人法って言うんだっけ、たしか。



北風がガタガタと窓を揺らす。

まあ秋の荒れた天気ってことです。



あれ、なんか机もガタガタ揺れ…?



「悠南!

レッスン始めますよ!

早く僕の言葉に気付いてください、気付かないと犯しますよ、あ、やっぱり気付かなくていいでs「たった今気付きました」」



机のガタガタの発信源は変態ナッポー。

手でガッチリと机を掴み、震度5よろしく並の揺れを起こしている。

しかも長々とした台詞を吐きながら。



独り言ってイタいよ、変態ナッポー…!!



「そういえば変態ナッポー、鼻はどうですか?」



少しはまともな会話をしようと話題を振る。

一応紳士的なところもあるし、雲雀さんやリボーンさんよりはまともに話せるんじゃないか…



と思ったんだけれども。

甘かった、うん、甘かったよ、私…!!



「おやおや、悠南…

ダーリンの心配をしてくれるんですか?」



前言撤回。

この人もまともな会話ができませーん。



いっそ山本さんにずっとボールを当てられてればいいのに、と思いつつ私は閉口した。

これ以上言うとさらに頭痛が増すだけだもの…!!

あ、私学習したよね、うん


「まあ雑談はここら辺にして…

今から僕の言う英文をリピートしてください」



「…いきなり【まとも】になりましたね」



「僕はいつだって【まとも】ですよ」



最後の言葉が引っ掛かるけれどもスルーしておこう。

おとなしく私は黙って頷いた。



「I love you.」



いきなり英文おかしくないですか



と思うが、スルー、スルー。

変態ナッポーの言動はスルーするに限る、と私は勝手に決めた。

忠実に変態ナッポーの言葉を繰り返した。



「I love you.」



途端に変態ナッポーの頬がポッと染まる。



え、何、私今すごく恐ろしい考えを発見したんだけれども…!!

いや、さすがにそれは無いね、うん…!!



突如思い付いた考えを無理矢理に脳の片隅に追いやる。

嗚呼、なんて気持ち悪いことを考えてしまったんだ、私…!!



コホンと咳ばらいをしつつ、変態ナッポーは口を開いた。



「み、Me too.」



「Me too.」



私がリピートすると変態ナッポーの目がクワッと見開かれる。



いや、なんか怖いんだけれども、目力が!!



変態ナッポーは椅子から立ち上がると私の席へと机の周りを通ってやってきた。

そして私の肩をグッと掴む。



「僕たち…



相思相愛ですね!!」



「は? 何言ってんだアンタ、殺すぞ」



あら不思議。

変態ナッポーの言葉に私の口がペラペラと喋っています…!!

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あきゅろす。
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