Vongole Company
063愛からの救世主
私の考えていたことは的中。
どうせ変態ナッポーのことだ、
私が変態ナッポーに向かって
「I love you.」
だの、変態ナッポーの「I love you.」に私が
「Me too.」
と返したとか、都合のいいように脳内変換されているんだろう。
残念だけれども…
私があなたにそんなこと言うことは
一 生 あ り ま せ ん か ら 。
一人で顔を赤くしてニヤニヤしている変態ナッポーをまじまじと見る。
かなりの美形なのに…
本当にもったいないです、この人。
・・・
内面が。
いつまでも「相思相愛」だの
僕も愛してますよ、などと言う変態ナッポー。
さすがに気持ち悪いの限界だ。
しかも!
こんな大きい声で叫ばれてればなおさら…!!
「クフフ、悠南は僕が好きなんですよ!」
「綱吉?リボーン?恭弥?そんなの眼中にはありません!」
いや、何勝手に言ってくれてんだ、あんた…!!
時計を見るとまだ10時半。
まだ一時間はこの変態を相手していなければならない。
私は大きなため息をついた。
しかし、なぜか広間の扉が開く。
「ちゃおっス」
現れたのは買い出しのお供、リボーンさん。
変態ナッポーの騒音とも言える叫びに顔をしかめている。
朝はまともじゃない人だったけど、今見ると超常識人に見える…!!
「ちょっと早ぇけどな、買い出し行くぞ」
よく通る声で言うリボーンさん。
私は勢いよく頷いた。
もうこの変態ナッポーから逃れられるならなんだっていいさ…!!
一人叫ぶ変態ナッポーを広間に残し、そっと廊下に抜け出すリボーンさんと私。
リボーンさんは私が広間から出てくるなり
「アイツ、ついに自分がパイナップルだって自覚したのか?」
と聞いてくる。
いや、いろいろおかしいでしょ、それ…!!
「そんなわけないじゃないですか」
「…チッ、つまんねーな」
舌打ちした、舌打ちしたよ、この人…!!
顔がいいからって舌打ちは良くないよ、うん
屋敷の玄関へと向かいながら、私は口を開く。
「買い出しってなんの買い出しですか?」
「牛だぞ」
「は?」
自分で運転するのだろうか、車の鍵を軽く片手で弄びながらリボーンさんは答える。
う、牛…?
私の頭の中が牛柄になるのと同じタイミングで、リボーンさんは言った。
「まあとりあえず昼飯だな」
う、牛の買い出しって…
何?!
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