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Vongole Company
060御満悦な彼
「おぉ…!!」



雲雀さんに連れられやってきた食堂。

私は思わず感嘆の声を上げた。



久しぶりにまともな朝食を見た…!!



机の上に乗っているのはトースト、コーヒー、スクランブルエッグ、ハンバーグ、刺身…

朝から豪華すぎるほどの品々。

しかも



「雲雀さん」



「山本さん」



などとプレートごとに名前が綺麗な金色で彫られている。

しかも!



「悠南ちゃん」



なんていうプレートまで…!!



「気に入ってもらえたかな?」



キッチン(なんてこじんまりしたものじゃないけど)から出てきた京子さん。

私はコクコクと頷いた。



「すっごく美味しそうです!!」



嗚呼、刺身だよ、刺身!!

私、刺身大好きなんだよ…!!



キラキラと目を輝かせている私を放置し、自分のプレートを手に取る雲雀さん。

そして適当な場所へ腰を下ろした。

私も「どこで食べようかな」と思いながらプレートを手に取り、雲雀さんから多少離れた場所に座る。

すると後方にいる雲雀さんからお声が掛かった。



「どこに座ってるの、悠南」



「……は?」



後ろを振り返ると不機嫌そうな顔をした雲雀さんが。



え、何、これ私怒られるタイプ?!



雲雀さんはわざとらしくため息をつきながら口を開いた。



「君の座る場所はここでしょ」



ここ、と雲雀さんが指差すのは雲雀さんの隣。

え、何、その



当然でしょ



みたいな顔…!!

食堂は自由席ですけど?!



「いや、あの、別に私がどこに座ろうといいじゃないです「早く」」



話通じねぇ…!!

私の反論を途中で遮る雲雀さん。

なんの躊躇いもなくね、スパッと遮ったよ、うん…!!

でもあきらめるな、私!



「じゃあ百歩譲ってせめて正面に…」



「そんなに僕の顔見たいんだ?」



譲歩作戦失敗…!!

しかもなんか嬉しそうだし!

なんてポジティブシンキンしてんだ、この人!!



「わ、私はここがいいんで「早くしてよ、咬み殺されたい?」スミマセン、ヒバリサマ」



勝てない…!!

その鋭い目には勝てないよ、私!

殺気がね、殺気が…!!



渋々席を立ち、「雲雀様」の隣の椅子を引く。



なんでそんなに御満悦なんだ、あんた…!!



というくらい上機嫌な雲雀さん。

しかも私たちのやりとりをずっと見ていたのだろうか、京子さんとハルさんは口を手で覆っている。



ハルさん、いつ来たんだろう。

あと



「雲雀さんが悠南ちゃんをからかってます…!!」



「あんなに雲雀さんが話してるのは初めて見ました!」



実況やめてください…!!

え、雲雀さんってあれで話してる方なの、え?



京子さんは



「仲良しだねー♪」



ってニコニコしてるし。

その誤解ヤメテ…!!

ほら、雲雀さんがもっと嬉しそうになっちゃったし…!!



雲雀さんの隣に座り、各々に心の中で突っ込みを入れていると、食堂の扉が開いた。



嗚呼、まともな突っ込み役こい…!!



と隼人さんが現れるのを期待した私。

けれども…

人生っていうのは上手くいかないもんです。



「おはようございます、ツナさん、リボーンさん!」



「おはよ、ハル」



「ちゃおっス」



ハルさんの言葉に内心でうなだれた私。



よりによってなんでその二人なんだ…!!

しかも私を見つけた途端にブラックスマイルを二人揃って浮かべやがったよ、オイ!



これって私…



死亡フラグ…?!

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