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小連載
マギ暗い話


どろどろのシリアス嫌われ、一人の女の子が堕転するまでのお話。

キャラ嫌われ、っていうか皆が酷いので注意。


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七つの迷宮を攻略した王様が支配する南の国、シンドリア王国。

そろそろ10歳の誕生日を迎える私はそこで生まれ育ったわけだが、このところこの国の様子が変だ。

町を歩けば商人の表情がピリピリとしているし王宮勤めの兵士の素行が荒っぽい。

この間開催された年に数回の謝肉祭ではそれまでの盛り上がりを見せず王様の席の空気は沈んでいたのだ。

パフォーマンスの際に垣間見た八人将の方々のお顔はなにやら疲労の色で曇っていたのもおかしい。

私のような子供が不安に駆られているのだから大人たちは当然理由を知っているのだろうと耳をそばだててみればすぐに分かった。


王様の奥様の動向が好ましくない、とのこと。


妻を娶る気はないと公言していたシンドリア国王、シンドバッド王様は半年ほど前に一人の女性を王宮に迎え入れていた。

なんでもその女性は一人の少女の手を引き王宮の門を叩き「この子はシンドバッド国王の子だ」と言ったのだそうだ。

その女性が過去の国王のお手つきだったことは確かであり、状況証拠や魔法による真偽の証明まで行った後に、女性は王の妻に少女は王の娘、王女様となったのだ。


そして問題がそれから。

そのお妃様と王女様は王宮の中で贅沢三昧に随分派手な暮らしを始めた。

それこそ民の暮らしを圧迫するくらいに宝石やドレスを買い込み怠惰に暮らし花を飾り悪女と噂されるくらいに。

バルバッドの再来かと言うぐらいにはひどいものなんだとか、その噂の内容は随分と遠慮の無いものだったので子供ながらに言いすぎだろうと思ったが。

きっと恨み言の捌け口が欲しいんだろうなと判るが王様の妻に言って良いのかとも思うがそうは言っていられない。


ところで私の両親はそろって王宮勤めなのだ。

母などお妃様の傍仕え。


だから知っているのだがお妃様もお姫様も噂ほど酷い人ではない。

噂の原因はよくある話で、かねてから王様の隣を狙っていた女性達の妬みと嫉妬を一身に受けてしまったせいだ。

実際のお二人は質素と倹約を好む良くも悪くも普通の女性達なのだとか。

捻じ曲がった噂に翻弄されていわれの無い中傷を寄越されるので部屋に引き篭もりがちなのだとか。

そしてそれがまた噂を助長させているのだとか。


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あきゅろす。
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