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リコリス
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手を突っ込んだら凍り付くように冷たいんだろう川の傍をのんびり2人で歩く。

そろそろ帰ってもいいかなと思うので言ってみると、小太郎は残念そうな顔をした。



「もう少し行ったところに村塾があるんです。皆と会って行ってくださいませんか」

「うーん・・・・・・。そうしたいところですが、これ以上村を出るのが遅くなってしまうと山の中で野宿する羽目になってしまうんですよねえ」

「では今日のところは僕の家に泊ってはどうですか?客間は空いていますし、先生のご友人という事なら両親も歓迎するはずです」

「ありがたいのですができれば一日も早く・・・・・・」

「僕は白波さんに貴重な本をいただきました、そのお礼をさせてください!」

「・・・・・・聞いてよ、おーい・・・・・・」



どうにか言いくるめられないだろうかと考えるが、相手の少年は見た目の年よりずっと頭の回る子だ。

ここは別れた後にこっそり逃げるのが良いかもしれない。

好意から誘ってくれている人からこそこそ逃げるのも大人の対応ではないと分かっているのだが、白波にはこの村から早々に立ち去りたい理由がある。

どうしようかな、と思うが。



「多分、白波さんの荷物を持って行った先生は夕方までお戻りになりませんよ」

「マジですか」

「マジです。先生は立ち話がお好きなので」

「特に大切なものは入っちゃいませんが刀は困るんですけど松陽さん・・・・・・」

「先生は最初から白波さんを最低一日は留めるつもりだったと思いますよ」

「最初からですか」

「最初からです。家で待たせず散歩していてくれなんておっしゃってたでしょう」

「松陽サーン。私、人間不信になりそうデース」

「あははははは。てなわけでさっさと村塾まで行きましょう」

「はーい・・・・・・」


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あきゅろす。
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