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今日も、また平凡な日々が終………いや、他の人から見れば平凡じゃないのかもしれない。


『有人、痛い』
「学校では、名前で呼ぶなと言っているだろう」
『解ったから、痛い』


毎回毎回、腕をギリギリと引っ張られるから本当に痛い。しかも、1回言っただけじゃ止めてくれない。
いじめですか、と私が鬼道さんに問いてみる。
すると、お前が早く歩かないからだろう。俺は早く帰りたいんだ。
と一喝された。

何故こうも、学校だからといってイチャイチャのイの字もさせてくれないのだろうか。仮にもカップルなんだから、少し周りに見せ付けたって…。
そんな事を思っていると、前方に居る理科の先生と目があった。


「おっ、何でここに居るんだ苗字?」
『…へ?』


いや、帰るからでしょうが先生。私、別に悪い事してないはず…だけど…


「お前、今日は課題『ああああぁぁぁ!!!!』…煩い」


そうだ、課題だ。
理科の課題をまだ提出してなくて、今日だったっけ…嘘だ。
だって、今日は鬼道さんの部活が無くて、久しぶりに2人っきりで帰る約束を…


「じゃあ、早く来いよ。苗字!!」


あぁ、先生。今日じゃなくても良いじゃないですか…
ほら、鬼道さんの顔見れない


『鬼道さ、ん…?』
「馬鹿かお前は!!正真正銘の馬鹿だな!!」
『はいぃっ、すいませんんん!!!』


どす黒いオーラをみにまとった鬼道さんは、私に罵声を浴びせに浴びせまくって、それから溜息を一つ落とした。
ごめんなさい、としかいいようがない。本当に私は馬鹿だ。


『すいません…先に帰ってて下さい。』
「…。じゃあな、」


私が頭を下げて、謝ると。さらりとマントを翻し、私にそう告げて去っていく。
あぁ、鬼道さんが遠くなっていく…











**************

『あぁ、やっと終わったぁ!!』

大きく伸びをし、開放感が自分を襲う…が、のけ反った時に見えた暗い空にまた憂鬱が戻ってきた。この中帰るのか…暗いの嫌なんだけどな…
これなら、鬼道さん連れて逃げれば良かった。…って、鬼道さんだったら怒るかな…。


「じゃあ、苗字も早く帰れよ」
『はーい』


先生も教室を出ていく。あぁ、もう帰りたくないなぁ。
鬼道さんに本当に悪い事したし…。しかし、本当に鬼道さんだけはこういう事は無い。学校一の天才で、先生からも慕われている。サッカーだって、凄く上手いし。
それに引き替え、私は何も取り柄がない。並中の並
こんな私が本当に鬼道さんと釣り合っているのだろうか。いや、絶対無いな。このままだと、鬼道さんに捨てられそうな気がする。
そんな暗い事を考えながら、外に出る。あぁ、本当に真っ暗じゃん。怖いな…鬼道さんに会いたいな…



ジャリッ



『…え』


すぐ後ろから、地面を擦る音がする。誰だよ…こんな時に。
そういえば、この前見た映画で振り向いたら殺されるみたいなの見た気がする。あぁ、考えだしたら消えないじゃんか…

ガシッ



「おい、」
『い、いやああああああ!!!!』


捕まれた捕まれた捕まれたぁぁ!!!声かけられたよ、何か…!!
あぁ、どうしようどうしよう殺されるよ


「おい、」
『すいませんんんん』
「俺だ、鬼道有人だ」


『…え?』


涙目になった顔で、上を恐る恐る見上げる。あ、


『き、き鬼道さん!!!…あぁ良かったぁ………でも何で?』
「待ってた、らまずかったか?」
『嘘……』


鬼道さんが待ってくれた何て。嘘…じゃないよね、鬼道さん…鬼道さん鬼道さん…


『大好きっ!!!』
「フッ…そら、帰るぞ名前」
『…!!あ、はい!!!』


鬼道さんの手に自分の手を絡ませて、歩く。私の名前をほほえましく呼んでくれた鬼道さん。
あぁ、愛してます。

恋+恋=愛






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