1 あぁ、何でこんなに怒られなければいけないのだろう。 だから言っただろう、何て言ってるくらいなら手を貸して頂きたい。まぁ、私も悪いけど… 私だって転びたくて転んでる訳じゃないんだから。そんなに、怒らないでよ、 「お前の馬鹿さ加減に、呆れる」 『それが彼女に対して言う台詞?』 しょうがないな、と言いながら手を差し出す彼。それに両手で捕まり立ち上がる。 『ありがとう、』 「あぁ、」 そう言うや否や、もう歩いていってしまう彼。 最初に見た時は本当に異様としか、言いようが無かった。 ゴーグルに、赤いマント、ドレッドの茶髪。後は、あまり知らない人が多いが紅い目。よくこんな、並の人とは思えない程の格好をしていらっしゃるものだ。 そう、彼の名前は 鬼道有人 サッカー部の司令塔で、人気もある。 そんな鬼道さんに「付き合え」何て言われたら断れないでしょ 「ほら、部活が始まるぞ。早く、歩け」 『はーい。あっ!幸次郎君!!』 「なっ、おい苗字!!」 鬼道さんに引き止められた気がするが、そのまま走って幸次郎君の所に駆ける。あぁ、笑顔で控えめに手を振っていらっしゃる。 本当に癒されるっ…って何か苦しい!!! 『く、苦しい苦しい!!馬鹿、ちょ、鬼道さん、』 「そんなに、ホイホイ違う男の所へ行くな」 「鬼道、苗字は女の子なんだぞ…」 『幸次郎君っ…って!苦しい苦しいってば、鬼道さん』 私の首に巻かれている、赤いマフラーの先をおもいっきり引っ張られ、首が絞まる。 このマフラー、鬼道さんがくれたのに…そんな扱いして良いのでしょうかね。 「いいんだ、源田」 『いや、だめでしょ』 「あぁ、そういえば鬼道「名前ーーーー!!!」…」 遠くの方から、走ってくる方。あぁペンギンの佐久間君だな、これは あっ、もう近い 「名前!!!!」 『さっ君、やほ♪』 いつもこうやって、私にキラキラとした目を向けてくれるさっ君。ペンギンが好きで、綺麗な顔と髪をしていて…可愛い。 「あまり、こいつに近づかない方が良いぞ佐久間。馬鹿がうつる、」 「名前の馬鹿ならうつっても良いです!!!」 『さっ君…』 「……」 グイッ 『痛い痛いっ、腕が』 「もげは、しない安心しろ」 鬼道さんに腕を力任せに引っ張られて、さっ君から離される。何でこうやって、いつもいつも… 「鬼道さん…」 「すまんな、佐久間……」 そう言うと、腕をまた力任せに引っ張られる。 パフッ ふいに、引き寄せられ… 抱きしめられてるという事に気づく。 なな、何してんの鬼道さん!! そして鬼道さんは、ふと顔を上げて一言、 「この馬鹿は俺だけのものなんだ。」 『なっ…////』 「あ、すいません、き…き鬼道さん」 やっぱり私は、鬼道さんが大好きです… こんなにカッコイイ鬼道さんに、夢中です 好きの理由 → |