小説
C条side
朝から、尋の机を占領する。
まるでマーキングだな…
少し寝不足気味だ。
「あ〜条♪おはよぉーなんで中嶋くんの席いるのーこっちおいでよぉ♪」
朝から甲高い声で話しかけてくる女の子達。
ごめん。君たちにはもう興味が無いんだ。
「ごめんなー。眠いんだ。ちょっと寝かせてね」
少し笑って答えれば女の子達は気を悪くしない。
女の子達の怒った顔や声は正直鬱陶しいから…
いつも適当にうまくあしらうようにはしている。
暫く突っ伏してウトウトしていたら…
「条。おっおは、おはよう。」
尋だ。
声だけで解る。
まだまだ少年のような声。どもっちゃって可愛いなぁ♪
まじで早く俺のにならないかなぁー
可愛いと言ったら、尋は少しムッとした顔をした。
だけど。そこは尋。
読めない。
いきなり可愛い唇から
「僕も条で頭がいっぱいだったよ。何でだろう…ね。」発言
しかも耳元で囁いた。
俺の顔、今どんだけ赤くなった?
「条…トマトみたい…クスクス」
うわ…尋がフワッと笑って…
眼鏡の奥のキラキラな瞳が細まる。そりゃもう可愛くて。
俺、撃沈。
おいおい。尋。いつからこんな俺を試すような発言を覚えたんだ?
期待…しちゃうだろう。
「あ、予鈴鳴ったよ。条自分の席戻りな!」
まだ居たいのに。
あ
「じゃあさ♪昼!一緒に食べない?俺、誰も来ない良い場所知ってんの♪」
なんだか危ない誘い方になっちまった…
尋はまた薄い笑みを浮かべた。
「うん。人気の無い場所好き。良いよ。一緒に食べようよ」よっしゃ!
嬉しい…が無防備な尋がこの先、若干不安だ。
人こないとか言ってんだぞ。
でも結構尋に近付けているよな。
普段は1人でどっか行ってしまうし。
「なんか…楽しみだなぁ。じゃあ条、お昼にね♪」
可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い。
俺は自分の席についてから、昼休みになるまで授業が頭に入ってこなかった…
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