小説 Bトマト 次の日、僕は登校中もドキドキしていた。 顔を見たら…何て言おう。挨拶、と後は。 まずい。いつも通りじゃいられない気がしてきた。 そわそわしながらも僕はトコトコ歩きながら、とうとう学校に着いてしまった。 教室に入った瞬間、僕は咄嗟に条を探してしまった。 あ… 条は僕の椅子に座っていた。 突っ伏して寝ている。 「条…おっおは、おはよう。」 だぁーっ どもっちゃったー!! 恥ずかしい。 そっと条は顔だけ上げた。ニコリと朝から甘い笑顔で 「おはよう〜尋。どもっちゃって可愛い〜の♪」 あ、言われたくない事を!! 「そっそこは僕の席だよ…ていうか眠いの?大丈夫?」 ふぁ〜っ と条は伸びをして 「いや〜何かあんま眠れなかったのさ。尋の事ばっかり考えてたよ♪」 ぼんっ と顔が赤くなってしまった。 もう…さすがタラシなだけある。 甘い笑顔も台詞もポンポン出てきちゃう。 僕は何だか悔しくなって 「僕もあまり眠れなかった… 条で頭がいっぱいだったよ。 何でだろう…ね。」 と耳元に囁いた。 あ、今たぶん条の初めての顔を見れた気がする。 条の顔はトマトみたいに真っ赤になったんだ。 [*前へ][次へ#] [戻る] |