時の戦士 時の戦士 5 アレンは正直いってジェラルドを助けたいとは思わなかった。 腹をさする動作をして 「ちょっと…この国に来てからなんか腹が痛くなって…。」 「やはりな。それはジェラルドが消えたからだ。」 「はっ?何故だ?」 「ジェラルドはこの国の病気などを封じ込めたアレを持っているのだ。 ジェラルドがいなくなってそのアレが消えたかもしれやぬ。」 「つまり…この国には凶がたくさん…?」 アレンは苦痛に顔を歪めてその場にへたりこんで腹が痛いふりをしていた。 王は杖を振りかざしてアレンの喉元ギリギリに触った。コツンと音がする。 「いたっ…」 喉仏をつかれて激痛に襲わたアレンは王にへたりこんだ。 すましたかおで王はアレンをふみつけた。 「行くのだ。行かなければその痛みの百倍はある痛みを味わうことになろうぞ。」 さっきの痛みの百倍… それは斬首刑 アレンは絶対に嫌だった。ジェリーの仇を討つまで死にたくなかった。 「行かせて頂きます。」 「ふんっ。供を一人つけてやろう。」 すらりとした背の高い男が出てきた。 灰色の瞳をしている。 「ドミトリーだ。」 いきなりアレンに抱きついて小声でボソッと呟いた。 「俺は男にしか興味ない。」 はっ?こいつホモか? 「俺はアレン。男は興味ない。すまない。」 ドミトリーはふんっと鼻をならして、剣と食べ物などが入った袋を地面にどすんと置いた。 アレンの頭を撫でながら 「明日ここに5時集合。」 この先このホモ野郎と旅をするのか…。 アレンは気が遠くなった。 [*前へ][次へ#] [戻る] |