時の戦士
時の戦士 4
300年前に飛べたのは俺じゃない。
時計が自分で飛んだ。
俺が過去へ行きたいと時計に念じたら…ね。
どうやら1700年ぐらいの村みたいだ。
「こんにちは。どこからいらっしゃったの?」
茶髪に農家の粗末な服を着た少女が俺に話しかけてきた。
「うん?さあな。」
俺は答えるのがめんどくさいのではぐらかした。
少女はまるで不吉な物をみたような顔をしてアレンにいった。
「あなたは悪魔の使いですか?」
こんな質問をされたのは初めてだ。
「違う。何故そう思った?」
少女は視線をアレンの顔から服に移った。
アレンも自分の服を引っ張ってみる。
すると服の柄にドクロが…。
「これ?あははは!悪魔の使いじゃないよ。」
少女はきょとんとしてぷいと畑の方にだっだっと行った。
アレンはこの服は危ないなと判断し、そこにあった旅人な服を着た。
青の刺繍に白の長袖。カッコいいだろう。
そこをてくてくと歩いてきた男の子がアレンに言った。
「その服…1カ月前にオギー沼に行ったジェラルドお兄さんと同じ服だ。」
「はぁ?ジェラルド?じゃ、今はジェラルドは?」
「戻らない。だからジェラルドお兄さんの雇い主、この国の王がおふれを出してる。」
男の子はだんだんと顔をしかめている。
「どんなおふれ?アレン兄ちゃんに教えてくれ。」
「旅人及び国の男は国一の旅人を助け出せ。助け出せたら褒美を遣わす。
助け出せなかった場合首を切り落とす。」
国一の旅人?この服の男?
かん高いラッパの音がした。それと同時に馬車から王が降りた。
赤い服に金の刺繍を施したガーディガン。
頭には王を表す王冠。
鳥の像がついた杖をアレンの方に向けて歩いてきた。
「お前は旅人か?」
「は…い」
「ならジェラルドを助けよ。」
やはり王はアレンにジェラルドを助けるよう命じた。
アレンは…
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