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fetishism『耳』
白いシーツの上で押さえつけられ、動けないよう腰を抱かれる。

身体を揺すったところで押し返せないことはわかっている。逃げることなど、もうとうに諦めた。

ぬちゅ。

「ぁ、んぅ」

ぴちゃぴちゃ。

覆いかぶさる男は青年の耳だけを長いあいだ犯していた。

薄い耳朶を口に含まれて転がされ、耳孔には舌を挿し込まれて出し入れされる。

濡れているというにはあまりに粘着質で卑猥な音が脳に直接送り込まれる。

「んっ・・・ぁあ・・・いつまで・・・」

ぬる。

「ぁッ」

柔らかい骨を甘噛みされれば、わかっていても傷つけられる恐怖が勝った。それを今度は宥めるようにチロチロと舐められ、強張っていた身体が崩れ落ちる。

「んふ・・・はぁ、ぁぁ・・・」

もう片方の耳は男の長い指が苛めている。

細い爪に乾いた孔の中を擽られて、焦燥感にも似た快感に首を竦めて身を捩った。

「く、すぐったい・・・!」

脳細胞に近い場所で頭が真っ白になる快楽に溺れさせられる。

下半身のいやらしい場所には一度も触れられていないのに、ソコの先端が口を開いて露を滲ませているのがわかる。

乾いたシーツに充血しはじめた先端を擦りつけ、蜜を吸わせるように腰を揺すった。

しかし大胆に動き始めた腰を抱いていた男が身体を起こし、青年の尻をぐっと力強く持ち上げて、膨らんだペニスから快感を奪ってしまう。

「ああッ!」

はずみで尻の狭間に男の灼熱の棒が当たって、ぬらぬらと擦り付けられるとそれに貫かれる期待で後孔が激しくひくついた。

「ぁ、あっ、そ、ソレ、入れてっ」

はしたないとわかっていても慈悲を請う言葉が叫び声のように口をついて出る。

だが男は挿入する素振りを見せるどころか、青年の尻の穴の入り口を亀頭でつつきながらまた耳の奥深くに舌を挿し込む。

ぬるぅ。

「それ、おねが、い・・・ぁぁぁ・・・」

また絶頂の兆しを取り上げられた絶望の声が漏れる。

「ぁふっ!やめ、やら・・・」

熱い舌が薄い皮膚を舐めまわす音に全神経を持っていかれる。

完全に腰の抜けた青年はぐったりとベッドに倒れ込み、いつまでも続く男の耳への愛撫に悶える。

「ぁ・・・ぁあ・・・イクぅ・・・」

抵抗できないまま与えられる法悦に嗜虐心を煽られ、幾重にも積み重なった快感で無意識のうちに尻の中にある絶頂のしこりを襞で揉み込み、青年はいつしか全身を痙攣させて乾いた絶頂を迎えるのだった。



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