創作小説:桃月郷(BL)
10
月花に誘われ困惑しながらも紫乃は、下駄を脱ぎ着物のまま湖へと足を踏み入れる。
「紫乃、着物着たままじゃ交尾出来ないよ?」
「え…っ?」
紫乃の腰に腕を回す月花。月花の言葉に流石の紫乃も更に困惑する。
「兄さん…此処でしたいの…?」
「紫乃は嫌?僕のこと、嫌い…?」
紫乃の胸に寄り沿いながら聞く月花。
「好きだよ。でも、兄さん珍しいなと思って…いつも俺が変な場所でやろうって誘っても怒るじゃない」
「この場所のせいかも…今、凄く紫乃としたくてたまらない…。気持ち良くなりたいの…。此処が疼いて溜まらない…」
月花が再び自ら紫乃の唇を吸う。紫乃の膝に当たる、月花の花芯が固さを増しているのがわかった。
野外での、まして湖の中での情事など経験がない。
しかし、月花が望んでいるなら、月花が満足出来るなら、幸せになれるなら、紫乃は喜んで叶えたいと思う。
足首まで湖の水に浸かり、桜の樹の幹に片手を付いて前屈みになり、白くまろい尻を突き出す月花。
紫乃は綺麗な臀部に指を這わす。
困惑してはいても、紫乃の花芯も既に固く勃ち上がり、充分に用意は出来ている。
自然にコクリと喉が鳴った。
「紫乃…早く…」
月花の後ろから、小さな窄まりに先を沈める。
「んああぁ…っ」
月花の背がのけぞり、尻がビクッと震えた。
「兄さんの中…っいつもより熱くて…きつ…」
「外だし…水に浸かってるから…凄く興奮してる…っ」
紫乃は月花の腰を両手で支えてやると、腰を振って抜き差しを始める。
「きゃう…っ、あんっ…やっ…イイよぉ…っ!」
外だと云うことも忘れ、嬌声を上げて淫れる月花。
「気持ちいい…?兄さん」
「気持ち…いい…っ…もう、イク…っ!」
先走りを零していた花芯の先から、月花は早くも堪えられず、目の前の桜の樹に精液を噴きかけてしまった。
「んぁ…もうイッちゃった…」
熱い吐息をつきながら月花はその余韻に浸る。
「兄さん、いつもより早くない?俺まだ中に出してもないよ…?」
「ふふっ…じゃあ、今度は後ろからじゃなくて前からやろ?」
身体を前にした月花を見て紫乃は喉を鳴らした。
月花の胸の飾りは赤く、プクリと腫れて欲情の色に染まっている。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!