研太×和樹
本文 N
オレもかっしゃんも黙ったまま...
下を向いているから、かっしゃんがどんな顔をしているかも確認できない。
だけど、かっしゃんのことだから、困った顔してるんだろうな...
ふと目を開けると、オレの涙で下のコンクリートが濡れていた。
沈黙が続く....
その沈黙を破ったのは、以外にもかっしゃんの方だった...
「研太!そのまま顔上げずに聞けよ!!」
いきなりの、かっしゃんのそんな命令にオレは、ただ"うん"と頷いた。
「..これ、ちょっと言いにくいをだけどさぁ.....きっ...昨日のキスはよかったよ...」
えっ
かっしゃん今、なんて言った?
オレの聞き間違いか...?
オレは"ガバッ"と頭を上げた。
涙を見られるのが嫌とかはもうどうでもよくなっていた。
顔を上げた瞬間。
耳まで真っ赤になった、かっしゃんの顔が目に入った。
「お前っ!顔上げんなって言っただろ!!」
かっしゃんは、オレが顔を上げるとは思わなかったのだろう、オレの頭を押さえて、また下を向かせる。
力の加減を間違えている、ちょっと痛い。
「ちょ、ちょっとかっしゃん痛い、痛い」
「顔上げんなっつたのに、お前が上げるからだ!!」
と、言いつつオレの頭を押さえてる手の力が弱まる。
その時、オレが顔を上げようしたら、また頭を力強く押さえられた。
どうしても、下を向かせていたいらしい。
「かっしゃん、さっきのどういう意味?」
オレはさっき、かっしゃんが言ったことが、本当に理解できてなかった。
もしかしたら、オレの聞き間違いだった可能性だってある。
「そのまんまの意味だよ!!」
それに、答えるかっしゃんの口調はちょっと険しい。
「オレとのキスそんなに気持ちよかった?」
というオレの質問に、かっしゃんはしばらく黙って、やがて小さく短く
「おぅ」
とだけ答えた。
"じゃあ、またやろうよ!"という考えが即座に頭に浮かぶ。
そして、次にかっしゃんの言葉を聞いて、オレは本気で驚くことになる。
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