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二日目(後編)
まあいろいろあって、クラトスと一緒に暮らすことになった。たった2日で初めて、あーんど、ビックリ体験をいっぱいした気がする。

その一つがフロだ。

雨の中にいたせいで二人ともびしょぬれでクラトスの家に帰ってきた。
「このままではカゼをひくな」って言って、オレを抱っこしたままフロ場へ行った。
でもオレはそのときフロなんか知らなかったし、だいたい水はキライだ。雨の日は体がダルいし寒いし、ぬれたら体が重くなる。
だからフロ場に入って、お湯がためてあるのを見て逃げた。すぐつかまったけど。
「ふぎゃーっ!」ってあばれたけどクラトスの腕はビクともしなかった。
あとでよく見たらクラトスはすごくきたえたいい体してた。
とにかく水は大キライだし、浴びたりつかったりするなんてありえないから必死であばれた。
そしたら「痛…っ!」ってクラトスの声がした。見たらクラトスの体にたくさんキズができてた。思いきり爪で引っかいていたらしい。
オレはしゅんとして、ガマンしておとなしく洗われた。「気にしなくていい」って言ってくれたけど、ケガさせて気にしないなんてできない。
ますますしょぼーんとして、抱っこされてお湯に入った。やっぱり水はキライだから(水じゃなくてお湯だけど)クラトスにしがみついた。
そしたらクラトスが頭を撫でてくれて、ぎゅってしてくれた。すっごく気持ちよかった。

それから、クラトスと一緒ならフロに入ることができるようになった。やっぱり水はキライだから一人ではムリだ。大好きなクラトスと入ってちょうどいいみたいだ。
出たあとはふかふかのタオルで体をなでられて、頭をくしゃくしゃされた。それも気持ちよくて好きになった。


†††


こうしてロイドと一緒に暮らす事になった。だがこれからは「ネコ」としてではなく「人間」としてロイドは生きていかなければならない事になる。

その第一歩が風呂だ。

二人とも長時間雨の中にいたせいで身体は冷え切っていた。このままでは風邪をひくと、ロイドを抱いたまま風呂場へと移動した。
それまで腕の中で大人しかったロイドは湯船に湯がはられているのを見て案の定逃げ出した。すぐに捕まえたが。その後も散々暴れたがなんとか押さえ込んで服を脱がせた。
その時に何度も引っかかれて思わず「痛…っ!」と声をあげてしまった。
それに気づいたのか身体についた傷を見てロイドは落ち込んでしまった。
気にしなくていいと言ったが耳も尻尾も申し訳なさそうに垂れていた。出来るだけ手早く洗って一緒に湯船に浸かった。

やはり苦手なのだろう、入っている間ロイドはずっと私にしがみついていた。だが身体が温まるまではガマンしてもらう他ない。
少しでも落ち着くように私はずっとロイドの頭を撫で、抱きしめた。

それからロイドは私と一緒なら風呂に入るようになった。まだ一瞬躊躇はするが前ほど暴れなくなった。いい傾向だ。
だがそろそろシャンプーハットは卒業させないとな…




二日目(前編) 三日目


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