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BirthDay 2
初めはなんだか照れくさかったが日を追うごとに自然とそういうこともなくなり、二人共今ではすっかりこの生活に馴染んでいる。親子として、そして恋人同士として充実過ぎる日々を過ごしていた。






そんなある日の朝、ロイドは甘い香りで目が覚めた。朝食にしてはあまりにも甘い匂いに首を傾げる。少々の疑問符を浮かべながらも、台所に行けばわかるだろうと、手早く着替えて階段を駆け降りた。

「おはよう、ロイド」

「おはよ、クラトス」

そう言ってクラトスはロイドを抱き締め、キスの雨を降らせる。最初こそは恥ずかしかったロイドだが、今ではその心地よさにうっとりと目を細めている。離れる体温に名残惜しさを感じながらも目を開けると、父の柔らかい瞳とかちあった。その瞳はいつもよりも温かい気がして…
ロイドがそう感じている間にクラトスは再びその体を抱き締める。そして沢山の思いを込めて口を開いた。

「誕生日おめでとう、ロイド」

「………へ?」

突然のことにロイドは何とも間の抜けた声を出した。

「今日って…オレの誕生日なのかっ?!」

"あの日"から、ダイクに拾われたその日が"誕生日"だったロイド。まさかこんな形で自分の本当の誕生日を知ることになるなんて思いもよらなかった。だから…

「これで誕生日が2つだな!」

笑顔全開でそう言ってのけるロイドにクラトスが軽い呆れとめまいを覚えたのはここだけの話。






そういえば…と、ロイドは朝食を食べ終えると部屋中に漂う甘い香りの正体をクラトスに問う。
クラトスは食器を手早く片付けると冷蔵庫からケーキを出した。
それは店で売っているホールよりも格段に大きい。たっぷりの生クリームと所狭しとつめられたフルーツの色鮮やかさに、ロイドは圧倒される。
そんなロイドの様子に苦笑しながらも、クラトスはロイドにフォークを渡した。

「…いいのか?」

「ああ、お前の為だけのものだ」

その言葉にロイドは満面の笑みを浮かべると、勢い良くケーキを頬張った。


 


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