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烈々布店長の裏(銀魂)
兎と美女と野獣
送り出すのも慣れて来たが、親しくしている阿伏兎さんが遠征に行ってしまって はや、数日。
彼が離れてしまうのは寂しい。
ちょっと心細い…

そろそろ、空腹感を感じるし…。
いつもは 夜兎の中でも体力や力量の上位である団長や阿伏兎さんから、こーっそり バレない程度を計算して その精気を失敬しているのだが、
この二人も勘は鋭いので頻繁に出来ない。(特に団長)
なので 自ずと阿伏兎さんから精気を頂いてしまうのだが…

加えて、二人が居ない時は 第7師団内の皆さんから これまたこーっそりと精気を失敬しなければならない。

夜兎族は戦闘に長けている分団長や阿伏兎さんクラスと言わないまでも 勘は鋭いので やはり注意は必要なので…。

なるべくやり過ぎないように、とか
精気を吸ってるのがバレたら此処には居られないなぁ、とか
バレたら売り飛ばされ…殺される?とか
色々考えてしまうので チキン発動したらそんなにガッツリと吸気は出来ない。


なので今回も 既にHPはギリギリっていう………


阿伏兎「冬窓床ー 休憩中か?」ヒョコッ


『びゃー!?』ビクッ


阿伏兎「な、何だ!?」ビクッ


『すす、す、すいません 突然声を掛けられてびびビックリしちゃって!』アタフタ


阿伏兎「えええ…俺、何回か呼んだけど」


『ちょっとボーッとしちゃって…
それより ご帰艦ですか!お疲れ様です』


阿伏兎「お前さんこそ お疲れなんじゃないの?ボーッとする程度には」


『いえ 大丈夫です。それより、何か御用ですか?』


阿伏兎「いや、大したことじゃねぇんだけど 帰艦した時には声を掛けておこうかとよォ」


『助かります。ご飯の量を調整しなきゃですし…
あ!郵便物が届いてましたよ!阿伏兎さんのデスクに置きましたよ』


阿伏兎「え?そんなのあったか?」


『ありましたよー、私ちゃんと置きましたし』


阿伏兎「えー?見てないけど…」


『そんなー、ちょっと今 阿伏兎さんのお部屋行きますよ』


━━━
━━


━━
部屋
━━


『あった!この封書ですよ』


阿伏兎「あぁ…こんな色の封書 判らないだろ…チラシかと思ったぜ」


『チラシをわざわざ副団長のデスクに置きませんよ━━━━っ………』


『あ、れ?』クラッ


何だろう
貧血、か、な?
頭…が━━━


阿伏兎「悪い悪い、おじさんが不注意でした」


あ どうしよ
お腹 すい、た…………


阿伏兎「冬窓床?どうした?」


『……………阿伏兎、さん…』


阿伏兎「怒ったのかぁ?誰にでも見間違いとかはあるだろ?許してくれよ」


『怒って、ませんよぉ?ただ、阿伏兎さんが━━』


夢の中を彷徨っているかのような感覚で、私は手を伸ばす


『心配だったんです、遠征中…』


彼の二の腕の服のたわみを摘まんで、微笑んだ


『良かったぁ』


━━━
━━


━━━
彼目線
━━━


『良かったぁ』


と 俺の服を摘まむ
冬窓床は目を潤ませて、唇を震わせた


阿伏兎「━━ッ…」


思わず 口ごもる

え 何何 この表情
俺の事を心配してくれてたの?泣きそうなカオしてる…のか?
そんな 悩ましげな…眼差し…


阿伏兎「ははっ………冬窓床は優しいねぇ」


冷静になれ
こんなオジサンに 冬窓床みたいな娘っ子が…………そんな訳━━


『優しさ、だけじゃ…………』ギュウ


『ないかも?』


俺の二の腕、今度はしっかりと掴む

……………前から思ってたけど、冬窓床って
たまーに 甘え過ぎじゃない?
いやでも、こんなに甘ったれだっけ?
そんだけ心配してくれたってこと?
まぁ確かに超デレて来てるよね?
いやでも 何かコレ、そーゆー身内の身を案じているというか 一線越えた感情を感じなくもないという…か……


阿伏兎「優しさ、だけじゃ ないの?」


『…』


阿伏兎「下心でもあんの?」


『…』フイッ


目を逸らした

何だ?
組織(第7師団)の幹部に取り入りたかっただけって事か?
冬窓床でもそんな事を考えンのか
別に軽蔑なんてしねぇよ
したたかな位が、グッと来るだろう?
ま、ピュアそうに見えても、オンナってのは恐いっつーか……


『優しさ、だけじゃなくて…ね』


流し目……
冬窓床がこんな 欲を孕んだ表情、するんだな
いっそ 妖艶さにゾクッとする


『食欲が━━』


神威「阿伏兎ー!こっちに元老院から書類届いてるだろ!!」バーン


阿伏兎「」
『』


神威「……お邪魔だった?」


阿伏兎「なっ 何がだよ!!書類ならココに!!ホラ!」バッ


『あれ?私…何を…』ハッ


神威「あー これこれ。何か、遠征費用を上乗せで請求出来るらしいから ちょっと確認したくてさ」


阿伏兎「あ、ああ 必要な署名くらいはしといてくれよな」


神威「……はいはーい」


阿伏兎「何 その[…]は!そーゆー含みは辞めてくんない!?」


神威「ちゃんと しとくから。じゃーねー」バイバイ


阿伏兎「…」


『はっ…!?あ、いけない!私もそろそろ取り掛からないと!!じゃーね 阿伏兎さん!ご飯まで待てますよね?行ってきます!』ダッ


阿伏兎「…」


女ってのは
分からん…


いや、俺が欲求不満なのかも知れんな
飯までに サッとそーゆー店でも行って 欲求不満解消して来るか…


━━━
━━






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あきゅろす。
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