烈々布店長の裏(銀魂)
兎と美女と野獣2
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俺は 単独、小型宇宙船に乗り込み 風俗街に赴く
宇宙の嫌われ者だろうと、春雨御用達の系列店だ
ココは吉原と同じ、男の天国━━
本来 金で女を買う程 困っちゃいねぇが 必要経費だ
事は緊急を要する。
自分の年齢と比べて 冬窓床みてぇな若過ぎる娘に色香を感じちまってる
いや、冬窓床の魅力を否定する訳じゃねぇけどよ
これは相当溜まっちまってるよな
もうダメだ。さっき悟ったわ。
それと、見た?さっきの団長。
[社内恋愛はどうなの?]と言わんばかりの含み笑い!
恐いねぇー
いやいや、別に冬窓床が好みじゃないって訳でも無ぇけど トシがなー 本当
やっぱ若いしなー
もし下手に人間関係 拗らせて、冬窓床が辞職なんてしちまった日にゃ…
またコックを探さないといけねぇし、飯の味が変わって不機嫌な団長がウゼェし、ろくな事にならねぇんだよな
と、いうワケでだ
俺は欲求不満に違いない
一発二発抜けば冷静さを取り戻し、冬窓床に性的アンテナが反応することも無くなるだろう
そもそも、あんな男臭ぇ所帯のキッチンにあんな美人雇うのが間違いだろ…
もう少しトシいったばーさんとか、体型の行き過ぎたベテランとか…
あんな……
女「お待たせ致しましたぁー、第7師団のダンナ様ですねー」
阿伏兎「ああ…」
女「本日、お急ぎの40分コースですね?」
阿伏兎「忙しい身でね…リフレッシュすらお急ぎの 悲しいサラリーマンさ」
女「ふふっ 殿方はいつもお忙しいものですわ」
女が、この肩に触れた
其処で
さっき冬窓床に捕まれた腕の 温もりがフラッシュバックする
━━『阿伏兎さん』━━
俺の名前呼んで、よぉ
━━『優しさだけじゃ、ないかも』━━
そんな ツラで
━━『優しさだけじゃなくてね』━━
何て言おうとしたんだ…??
━━『しょくよ』━━
お前は何て 言おうとしたんだ?
あそこで団長に邪魔されなきゃなぁ
あー
畜生
気になる!!
お前、打算で俺に取り入ってるんじゃないなら
なんだよ…
なんで…
こんなに 気になるんだよ
━━━その先が 聞きてぇよ…
クソ
何で 期待してンだよ…すっとこどっこい
期待、なんて…
阿伏兎「あー………」
女「どうしました?」
阿伏兎「悪い、姉ちゃん」
女「え?」
阿伏兎「シゴトだ」
この、胸の…
阿伏兎「コールが、鳴り止まねぇんだ」
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ヒロイン目線
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どうしよ さっき、阿伏兎さんの部屋であったこと、思い出せない
何か 会話が所々、千切れ半切れ…
いや、でも厨房に立つ時間だったしなー
コック「冬窓床さん、あとは片付けだけなんで、もう上がって下さい」
『あ もうそんな時間ですか!お疲れ様でーす』
シフト制だから給料発生のタイムカードに厳しい…
ホワイト企業なんだか、世知辛いんだか…
さっき多分、阿伏兎さんから少し、吸気しちゃったハズだから
あれが無かったら倒れてたかも…
………お腹空いたの マシになってたけど、お料理したら疲れちゃったなぁ
あー…でも お腹…うーん
やっぱり 空いた…
ご飯を食べる事では満たされない夜の魔物の空腹感
ツラい…
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彼目線
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阿伏兎「あー……」
折角わざわざ 風俗に行ったのになぁ…
花街行って、キャンセルして、便所で一人上手なんてなぁ
あー…バカかよ
俺ぁ…
ムダな動きが多過ぎんだよ…
らしくねぇなぁ
また、さっきの冬窓床の流し目を思い出したりして、やるせ無さに「チッ」と舌を鳴らした
そのタイミングで
━━コンコンコンコン
阿伏兎「…」
『阿伏兎さん、珈琲を入れて来ました』
ドアを開くと、彼女は立っていた
にこやかに笑い この部屋にカップを運ぶ
『まだ、書類とにらめっこしなきゃいけないんですよね?』
阿伏兎「ありがたいねぇ」
『遠征から帰って来たばかりなんですから、ホドホドにして下さいよ?』
阿伏兎「…心配してくれてンだ?」
『ええ…』
阿伏兎「昼間のを蒸し返すけどな
優しさ、だけじゃないんだって?」
『優しさだけじゃ ない、かも…ね?』
阿伏兎「つまり…それって下心?」
『…知りたい?』
阿伏兎「━━…」
参ったな
この妖しい笑みは 何だってんだ
いつもとは違う…
初めて味わう緊張感だ
俺より経験値の低そうなお嬢ちゃんに…どうして…
明らかにこの眸は 誘惑の香りだろ
『目を閉じて、阿伏兎さん…』
阿伏兎「…」
何を…期待してんだよ…俺は
止めろ 閉じんな
目なんて 閉じねぇでいい
分かってんのに 冬窓床の言う言葉に従ってしまう
『そのまま、ね?』
目を閉じて、冬窓床の気配が背後に回った
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