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決着がついた

 


「エミリオ!スタン!」

「あぁ!月閃光!」

「鳳凰天翔駆!」

「雷雲よ…我が刃となり敵を射て……サンダーブレード!続けてサイクロン!」

「ぐわぁ!?」



戦い続けて何時間たっただろうか。ミクトランイクゼシブは思った以上に強く、ソーディアンベルセリオスがあるにも関わらず苦戦を強いられていた。

既にソーディアンを使えないマリー&ダリス、コングマン、チェルシーは限界で立ち上がるのがやっとのようだ。ジョニーは意地で戦い続けている。
フィリアとルーティも疲れが溜まっているようで、ウッドロウは先程から後ろに下がりマリーやダリス、チェルシー達の盾となっている。エルレインもウッドロウの傍に立ち、援護射撃と防御に勤めている。まともにミクトランの相手をしているのは俺達だけだった。

それでもミクトランの方も限界が近そうで技が当たりやすくなっている。

エミリオとスタンが飛ばされて、俺は後ろからミクトランに斬りかかる。



「……ミクトランッ」

「やはり貴様との戦いは面白い!」

「…………ずっと気になってた。お前……前の事覚えてるな?」

「「「!!」」」



スタン達もミクトランをバッと見た。ミクトランは楽しそうに笑った。



「貴様ともう一度だけこうやって剣を交えたかった、それだけのために私はソーディアンベルセリオスに身を移した。海底洞窟で死んだと思っていたが……会えて嬉しいぞキリオ」

「……俺もだ!」



お互いに3度目の戦い。1度目は俺の完敗、2度目はギリギリで俺の負け。そして、3度目の今。もはや御互いに手の内は知り尽くしている。今や敵味方ではなく、どうしてもミクトランは倒したい相手。それはきっとミクトランも同じだ。

もう好敵手(ライバル)と言っても過言ではない。



「成長し続け、自らを犠牲にしても相手を護る為だけに戦い続ける。そんな貴様を完璧に倒せなければ、私は勝ったとは言えない!」

「俺の前に立ち続ける一番の敵を倒すまで、俺はここに立ち続ける!俺なんかに生きて欲しいと願ってくれた皆のために!」

「キリオ!」

「ミクトラン!」



ガキンッと刃がぶつかり合った。



「「(私/俺)の為に貴様を殺す!!」」



しまったと思ったときに飛ばされたのはベルセリオスの方だった。ミクトランが腕を振り上げる。咄嗟に下がろうとするが、傷の激痛に反応が遅れた。

ヤバイッ!!
反射的に目をつぶった。



「キリオ!」



君の声がやけに鮮明に聞こえた。
恐る恐る目を開けるとそこに居たのは、ミクトランの腕をシャルで受け止めていたエミリオだった。



「キリオは死なせはしない!僕が護り抜く!今度は僕がキリオを護るんだ!」

「ならば、私を倒せ!」

「言われなくてもやってみせる!」



エミリオがミクトランを弾き返した。俺は足の傷の応急措置をし、ベルセリオスを手に取り立ち上がった。それを見届けたエミリオは、ミクトランに向かって走り出した。



「行くぞッ!」



エミリオの動きは無駄がなくて、綺麗だった。その斬激にミクトランが軽くよろけたのをエミリオは見逃さなかった。



「消えろ!魔人滅殺闇!」



そのままエミリオは次の体制に入った。

え、待て、その技の続きは……



「交わらざりし命に…今もたらされん刹那の奇跡!時を経て…ここに融合せし未来への胎動!義聖剣!!」



ジューダスの技ーーー!?確かに俺も18年後の世界で使ったけどさ。

本人がやると威力もかっこよさも桁違いだな。正直みとれそうなくらいかっこいい、というか見とれました。



「僕は過去を断ち切る…散れ!真神煉獄刹!!」

「ぐあぁぁぁぁあ!」

「スタン決めろッ!」

「あぁ!」



エミリオがバックステップで俺のところまで下がってきた。同時に光を纏ったスタンが前に出た。



「これで終わりだ!」



やはり彼にここは譲らないといけないだろう。エミリオに支えられながら、スタンの姿を目に写す。



「こいつは…未来へ託す永劫の剣だ!」



高々と強く凛々しい声でスタンは叫んだ。



「斬!」



この技はカイルが使っていた技。そして俺にとっても未来へ向かう為の剣。



「空!」



あの田舎者で天然で熱血で真っ直ぐで純粋なスタンではない。だけど、彼は変わらない熱血で真っ直ぐで優しい彼こそ英雄に相応しいと思う。



「天!」



これからもきっとずっとスタンは俺達の未来を導く光であり続ける。



「翔!」



未来へ行くために俺は、俺達は行くから。だから、ごめんなさいミクトラン。貴方を踏み台に俺達は前へと進みます。



「けーーーんッ!」



スタンの最終秘奥義がミクトランに決まった。



「私の…………負けか」



ミクトランが倒れた。





決着


(今のスタンの姿は)
(あの時のカイルと一緒だった)



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あきゅろす。
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