運命の場所で君と対峙して 「キリオ!」 入ってきた彼等に気付き、俺はミクトランの背中を押した。 「行け」 「……必ず戻れキリオ」 俺の本名を口にした優しいミクトランの声に驚く。そのままミクトランの姿は見えなくなり、俺はスタン達の前に立った。 「よお、スタン。随分傷だらけだな、動揺しすぎだぜ?」 「なんでっなんで神の眼を盗んだんだっ!?」 「全ては俺の目的の為、ただそれだけさ」 「キリオ君っ」 ごめん、ごめんなさいウッドロウ。そして、ありがとう。 エミリオの記憶がなくなってから、随分気遣ってくれた。だから、俺はここまで生きてこれたんだよ。本当に感謝してる。 スタン、いつまでたってもその瞳の輝きは変わらないね。優しいスタンの太陽のような笑顔はいつも勇気づけられた。 いつまでも、何があっても親友と呼んでくれたスタンが大好きだよ。 ルーティと幸せに、カイルと沢山遊んであげてね。 俺は剣を抜いた。明らかに動揺が走った。説得出来ると思っていたらしい。 「さぁ、武器を、剣を抜け。お互いの信念どちらが勝るか殺ろうぜ?」 「ジューダスッ…」 「ジューダスさん!私達は貴方と戦いたくないです!」 「テメェは人を殺すより護る側だろうが!」 「お願いです!剣を退いてください!」 「俺達はお前には剣を向けれないぜ、相棒」 「私達は仲間だろう!何故相談してくれなかった!?」 ルーティ、貴方の優しさ昔から大好きだよ。お金ばかりだけど、ちゃんと人を気遣ってくれた。 いつまでもスタンと仲良く、カイル達と幸せにね。 フィリアはいつも臆病だったけど決めたことからは逃げ出さない、今も前もそうだった。きっとフィリアなら前に進める。そう信じてるよ。 コングマン、あまり関わらなかった、話さなかった。だけど、一度だけ戦った。それだけで、俺を認めてくれた。お前は凄い奴だよ、チャンピオン。 チェルシー、ウッドロウの事が大好きなのに俺を止めてくれるんだな。必死に大人になろうと頑張っている努力家なチェルシーは尊敬に値するよ。 ジョニーはいつも自由気ままで、だけど強い信念があって。覚悟を決めた時のあの輝きが大好きだった。 マリーは前向きで明るくて、美人で料理上手で、女として羨ましかった。ダリスと幸せにね。 「俺は退く気はない!」 「どうしても、か?」 「あぁ」 「ならば、力強くで止める!」 シャルを引き抜いた君。 その強い意志が灯る瞳に俺はホレたんだ。細い流れるような綺麗な黒真珠のような黒髪に、いつも消えぬ意志が灯る綺麗なアメジストの瞳。 いつまでも大好き、愛してるよエミリオ。 だから、生きて幸せになってください。 「行くぞッ!」 俺は仲間を裏切った。 最後の会合 (覚悟を決めれば海底洞窟なんて怖くはない) NEXT [*前へ][次へ#] [戻る] |