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客員剣士試験(番外編) ◎



「え゛っ、おっおおっ…れ、じゃなくて、私がリオンさんと戦うぅ?!」

「それが最終試練だ」



目の前にいるのはドライデン様なのに言われた衝撃的事実に思わず口をあんぐり開ける。



「流石に無茶苦茶ですよ!?」

「もう決定済みのことだ。私も反対はしたのだがな」



ため息をついたドライデン様にこれをけしかけたのがヒューゴ様であることが察しがついた。あのクソ野郎…俺を試すきか。



「キリオ・アキヤマと言ったな」

「はい」

「たしかにリオンとの経験の差は試合を見ずともその差は歴然だ。リオンは天才という一言で収めていいとは思わないが、あの年ですでにソーディアンの力抜きでも七将軍に劣らない強さだ。しかし、私はきみとリオンとの試合を正直見てみたいと思う」

「私と、リオンの?」

「出会った頃のきみは剣も扱ったことがなかったのは、戦う者ならば誰でも察しがつく」



ここに来た頃は本当に俺はただの学生で、少しばかり運動していたくらいだった。剣なんてこの世界に来て初めて握ったくらいだ。ただこの世界に来たからには武器を握らずには生きられないと仕方なく剣をとった。最初はそんな理由だったけど少し不器用で冷徹でふとした時さみしそうなリオンを見て、手を差しのべ手やりたいと思った。もっと生きて欲しいと思った。だけど、リオンと対等になるためには俺が強くならないとダメだと悟った。それから本格的に剣の修行を始めた。ヒューゴ様に頼みセインガルド軍で鍛錬をして、戦いの基礎から叩き込みセインガルド王国剣術を覚えるために兵士に混じってキツイ訓練をただガムシャラにこなした。ただひとつ、リオンの隣に立てるようになるという目標を掲げて。



「それがこの短い間に剣士としての基礎をしっかりさせ、しかりとしたきみの強い意志を感じさせた。剣を握って間もないきみがリオンに勝てるはずはないと思いながらも、内心はあのリオンとどこまでやれるか気になる私もいる」

「剣を握ったからこそわかることもあります。今の私では…」



苦い顔で俯くとドライデン様が近づいてきて両肩をつかまれた。理由がわからず首を傾げるとドライデン様は真剣な顔でこちらを見つめてきた。



「謙虚なことはいい。きみには向上心もある。だが、もう少し自分に自信を持ちなさい。きみは最初の頃とは比べ物にならないほど実力はついている。それは胸を張るといい」

「ドライデン様…」

「たとえリオンとの試合に勝てなくとも、あのリオンに劣ることなくきみなりの戦いをして実力を出し切るといい」

「はいっ!」

「試合楽しみにしている」



手を離し差し出してきたドライデン様に俺はしっかりと迷うことなく握手をした。負けてもいい。だけどこういってくれたドライデン様のためにも俺は最後まで全力で戦う。





















なんかおおごとになってる気がする。セインガルド城の中庭には七将軍に、国王陛下と側近と護衛。その他セインガルド軍の上位兵士数名。それに取り囲まれて俺とリオンは相対する形でそれぞれの場所に立っている。
なんだよこのメンツ?!凄いプレッシャーなんだけど!!わかるよ?客員剣士だから、わかるよ?!でも、国王陛下までわざわざ見に来なくていいじゃん!!なんで七将軍全員揃ってんだよ!仕事してこいよ!!!
ため息をついて顔を上げると丁度リオンの後方に立っているドライデン様と目が合うとドライデン様は頷いた。それに気がついて俺は深呼吸をして頬を思いっきり叩く。この日のために頑張ってきたんだ。結果が負けだとしても俺は食らいつくべきだ。



「両者準備は」

「完了している」

「こちらもいつでもどうぞ」

「これよりキリオ・アキヤマの客員剣士最終試練を始める!試合……」



リオンがシャルの柄に手をかけたのを見て俺も左の剣を右で掴む。
大丈夫、大丈夫、大丈夫、大丈夫!!やれる!違う!絶対にやらないといけないんだ! 俺はこの試合で見せなければならない。自分で居場所を勝ち取るんだ!



「───開始っ!」



声を合図にリオンも俺も駆け出し初撃は剣を撃ち合い、お互いに押し合いになる。その場ですぐにこの状況だと俺が後退させられるのは目に見えていた。



「受け止めきれたか。少しは成長したようだな。だがっ!」

「いっ!?」



リオンは俺の剣を横に流しそのまま本気で肩を狙ってきた。すぐに剣を持ち直し辛うじて軌道をそらし掠る程度ですむが、リオンは隙を見逃さすそのまま追撃を仕掛けてきた。俺は見える限りの軌道を一撃一撃確実にそらした。それでもやはり確実ではなく逸らすのが精一杯で、彼の強さを思い知る。
ヤバイ、リオンこれ結構な本気で来てる!今の俺じゃ……。



「戦い中に考えごととは余裕だな」

「しまっ!?」

「虎牙破斬!」



防御姿勢は取れたもののだいぶ後ろに後退させられる。腕から血が垂れるのが解った。体全身が脈を打つように高鳴り熱くなる。強い、リオンは本当に強い。俺なんて足元にも及ばない。鮮烈なリオンの殺気がひしひと伝わってくる。足は震えそうになる。勝てないとわかってて挑むのは本当に怖い。だけどっ!
俺は自分からリオンに向かって駆け出す。ここで背中を向けて逃げ出すことだけはしたくない!軽くジャンプして勢いをつけて剣をリオンに向かって振り下ろす。



「覚悟はあるようだな」

「言ったことは本気ですから認めてくれるまで粘ります」



笑顔で返してやるとリオンに押し返され俺は再びバックステップで後退する。一つ一つ訓練で教えてもらったことを思い出しながら、セインガルド王国剣術の基礎を確実にこなす。
最初はどの人が強いとかまったくわからなかったが習った今ならわかる。リオンの剣技は同じセインガルド王国剣術でもそこらの上級兵より洗練されており、動きに一切の無駄が見られない。まだ剣を初めたばかりの俺でもリオンは間違いなく強いのは見ただけでわかった。



「口だけは達者なようだ」

「お褒めいただきどうもっ!」



しかりと剣を構えなおす。
この試合、リオンと同等、またはそれ以上でないと俺はきっと客員剣士としては認めてもらえない。そしてセインガルド王国の客員剣士としてセインガルド王国剣術の基礎が確実にこなせること、礼儀作法、何より客員として国に招かれるほどの強さは必修だ。リオンは剣技だけの強さもありながら、ソーディアンマスターとしてシャルティエをこの年で使いこなしている。晶術まで使われれば俺に一切の勝ち目はない。この試合、形だけは取っているがリオンと試合など剣を握って間もない俺が負けることは誰の目から見てもわかる。ということは俺を客員剣士として認める気はないのだろうと思う。歓迎されてない存在なのは知っている。だって俺は最初はまったく戦えない一般人だったのだ。
リオンが遠慮なく斬撃を撃ち込んでくる。



「くっ!!」

「分かっているようだな。この試合の意味を。セインガルドは貴様みたいな得体の知れない輩を客員剣士になどしない!」



俺の斬撃は軽々とリオンに跳ね返された。



「さっさと地面に這い蹲れ」



ゾワッとする感覚が走り反射的にバックステップで下がりながら防御姿勢をとる。次の瞬間だった。



「プレス!」



頭上に巨大な岩が落ちて来たのを目にして、一瞬だけ動作が遅れて潰されはしなかったものの岩が落ちた勢いで吹き飛ばされた。



「っ……」

「隙だらけだ」

「なっ!?」



いつの間にか落ちてきた岩の上にいたリオンが再び詠唱をしている。すぐに剣を手にとろうとしてハッとなる。先ほどのせいで剣が吹き飛ばされ手元になかった。



「やばっ!」



あたりを見回すと少し先に剣が落ちていたが、詠唱中のリオンに背中を向け剣を取りに走るのは愚行だ。俺はとっさにベルトから鞘を外した。次の瞬間だった。



「これで終わりだ!デモンズランス!」



剣の代わりに鞘で防御姿勢をとったが、流石に防ぎきれず思いっきり吹っ飛ばされ壁に叩き付けられる。



「っがは!!」



視界がくらりとゆがむ。頭がズキズキと痛む。辛うじて一歩踏み出すが痛みにそのまま倒れ込んでしまった。体が言う事を効かないほどの痛みが走る。それでもどうにか立ち上がろうと手を踏ん張る。だが、このまま立っても鞘すら吹き飛ばされこの状態の俺にリオンを倒す手段はない。そう思うと立ち上がる気力が抜けてしまう。やっぱり無謀だったかな、客員剣士なんて。剣も持ったことのなかった一般人が簡単に出来ることじゃなかったんだ。涙で視界が滲む。こんなことならもっと地球にいた頃から頑張ればよかった。怠けて努力もしなかった時間が悔やまれる。
そのまま倒れこもうとした時だった。



「キリオ頑張れ!!」

「!?」

「まだ諦めるな!まだ行けるだろ!!」



慌てて涙をぬぐいあたりを見渡すと遠いところから手を振っていた声の主は、俺が鍛錬の間付き合ってくれたセインガルド軍の一般兵達だった。



「お前ら…」

「負けんな!頑張れ!」

「そうだ!いけいけ!」

「頑張れ!!キリオ!」

「例え他の上官が認めなくてもオレ達はキリオを応援してるからな!」

「そうだ!そうだ!目にものを見せてやれ!」



ワイワイとエールが飛び交い俺は笑う。最初はコイツらも俺のことを馬鹿にしてた。けど、いつの間にか少しずつみんなが真剣に教えてくれるようになったし、練習試合にも付き合ってくれるようになった。そうだった。俺にも応援してくれる人いるじゃん。この日のために俺のために任務のあと遅くまで付き合ってくれた一般兵たちもいる。熱心に指導してくれた上級兵たちもいる。訓練のあとに果物をくれた市民たちもいる。こんな俺を応援して支えてくれた人がたくさんいる。俺は絶対に挫けてられない!
震える手を握り締め力を入れる。ドライデン様がああおっしゃってくださった。だから、俺なりの戦い方を全力で惜しみなく見せるべきだ。力強く地面を踏む。目の前を見ると立ち上がるとは思っていなかったらしいリオンは少し驚いている。ゆっくり、それでも俺は確かに立ち上がった。1度深呼吸をして俺は思いっきり叫んだ。



「国王陛下!並びに七将軍の皆さま!御前でセインガルド王国剣術以外で戦うご無礼をお許しください!」



そう言ってから返事を聞くまえに応援しにきてくれた兵士たちのほう見る。



「誰か1本剣を貸してくれ!」



すぐに1人の兵士が渡してくれようとしたのだが、上級兵であろう人がそれを止めた。周りの兵から困惑じみた雰囲気が漂うがその上級兵は手に持っていた2本の剣を俺に投げ渡した。俺もそれにびっくりする。たしかこの人俺のこと最後まで非難したりで認めなかったのに。



「遅くなったが餞別だ。おま……貴公なら実力さえ出せればあの客員剣士相手でも一撃くらい喰らわせられると自分が保証する」

「なん…で」

「自分の部下たちが熱心に楽しそうに貴公のことを毎日のように最近は語るものでな。部下たちが認める者を認めぬわけにはいくまい。それは貴公専用の剣だ。兵士用の重い剣よりも馴染むはずだ」



渡された剣を見ると鞘にも剣にも綺麗な装飾があるキチンとしたもので、本当に今まで鍛錬で使っていた剣などとは性能が段違いなのがわかる。なにか言おうと思って口を開くがそれは違うと思い口をつぐむ。そのまま俺は黙って新しく貰った2本の剣を腰に据える。
剣をくれた彼に敬礼をするとその場にいた一般兵たちも敬礼を返してくれた。これは本当に一撃くらい喰らわせないと怒られるな。俺は改めてリオンと向き合う。



「待たせた」



唖然としているリオンに少し笑う。こんな顔もするんだな。尚更やる気が湧いてきた。絶対にこいつに俺のこと親友だと言わせてやる。
俺は静かに二本の剣を鞘から抜いた。シャルティエに負けず劣らずの真新しい白銀の刀身がとても美しい。そして本当にいつもと違って剣が軽い。これならいける。勢いよくリオンと距離を詰める。



「セインガルド王国剣術から外れた我流の戦い方で認めてもらえるとは思わねぇけど、こんな奴を応援してくれた人のためにもお前に一矢報いらねぇとな」

「貴様っ…」

「簡単には負けない!!」



斬り下ろしをシャルティエでガードしたリオンの隙にもう片方の剣を滑り込ませる。



『坊ちゃん下から来ます!!』



今の今まで黙り込んでいたシャルティエが声を上げた。その声に反応してリオンは咄嗟にバックステップで俺の剣を避けたが、軽く頬をかすった。



「!」

「二刀流剣術、行きます!」



少し動揺しているリオンの隙を逃さないように追撃を仕掛ける。流石に2度同じ手は食わなかったが、俺はそのまま手を緩めず何度も剣を振るう。



「虎牙破斬!!」

「くっ!」

『坊ちゃん!』

「魔神連牙斬!」



今持てる全力で技を叩き込み数歩下がった時にリオンが詠唱したのを見て突っ込む。



「ストーンブラスト!」



ギリギリのタイミングで俺は思いっきりジャンプして避けた俺をリオンはすぐに狙おうとする。



「馬鹿か、空中は逃げ場が!」

「剣だけが武器じゃねぇんだよ!牙連崩襲顎!」



剣で剣を弾き返しそのままの勢いを利用して蹴りを思いっきりリオンに叩き込んだ。



「ぐっ!?」



初めてリオンが数歩後退した。俺はリオンに考える隙を与えないために、またすぐに距離を詰める。振り下ろしてきたシャルティエを双剣を交差させ受け止めそのまま勢いよく剣を引いて全力で弾き返した。



「何っ?!」

「俺は力では敵わないから、悪いな」

「調子に乗るなっ!」



追撃をかけようとした瞬間、今までとは比べ物にならないほどの殺気が爆発して俺は追撃をかけれず反射的にバックステップで下がる。ヤバイ、今までの比じゃないレベルでリオンが怒ってる。今までのあれでも本気じゃなかったのかよ?!
てかさ、これ……まさかテイルズシリーズ恒例の秘奥義前のオーバーリミッツ…?
一気にリオンが距離を詰めてきて俺は防御姿勢をとる。



「たかが数ヶ月剣を握ったやつが僕に勝てると思うな!」



斬り下ろしと斬り上げの双牙斬は先ほどとは段違いの重さに押し返される。リオンが剣を下げた瞬間、俺の真下に紫色の魔法陣が浮かび上がった。



「ちょっ?!これは!!」



放とうとしている技に察しがつき横に避けそうとするが既に遅かった。鮮烈な殺気を帯びたアメジスト色の瞳がこちらを真っ直ぐに見ていた。燃え上がるような意志を帯びた瞳。こんな所で負けられないという強い灯火を宿している。一瞬でもその瞳に魅入られた時点で俺は避ける時間がなかった。



「魔人闇っ!!」



シャルティエは闇を纏っていた。そのシャルティエをリオンの本気の突きが俺を貫いた。声を上げる事もできなかったが辛うじて体をひねり急所へ当たるのは逸らしたが、息をつく暇はなかった。魔人闇の勢いそのままにリオンが距離を一気に詰めてきた。



「一撃喰らわせた事は褒めてやる。だがっ!いい気になるな!」



俺にもう避けるだけの体力は残っていなかった。わずかばかりに剣を盾にするために防御姿勢をとった。リオンの左手にはいつの間にか短剣が握られていた。シャルティエとその短剣が闇と光を帯びる。
これは流石に……



「マズ…」

「塵も残さん!奥義!浄破滅焼闇!!闇の炎に抱かれて消えろ!!」



焼かれるような痛みが全身を襲った。晶術を混ぜたその竜巻に俺は吹っ飛ばされ地面に叩き付けられる。肋骨一本くらい折れた気がする。意地で立ち上がろうとしたがその前にシャルティエが目と鼻の先に突き付けられる。



「まだやるか?」



このまま続けるなら振り下ろすと言わんばかりの殺気を身に染みて感じ両手を上げる。



「こ、降参…します」

「審判」

「し、勝者リオン・マグナス!!」



その声を聞いてリオンはシャルティエを退かし鞘にしまった。俺は体を起こそうとする。



「いっ?!」



脇腹に激痛が走り再び倒れる。…これ絶対に折れてる。立ち上がる気も失せて大の字になる。



「ははっ……やっぱり強い、リオンさんは。私の負けです」



全力を尽くして負けたのだから仕方ない。ほかの方法を考えるとしよう。折角戦えるようになったし、ルーティみたいにレンズハンターとしてやっていくのもありかもしれない。初めて頑張った成果が目に見えただけでも良しとしよう。



「おい」

「へ?」

「お前いつまで寝ている気だ」

「多分肋骨辺り折れてて起き上がれません」

「まったく……よくそれで客員剣士になるなどと言えたな」

「仰る通りですね…」

「陛下の前だ。手を貸してやるから早く立て」

「あっ、はい」



リオンが手を貸してくれて立ち上がるが立つのもやっとで、リオンの肩を借りて歩く。



「珍しいですね。肩を貸してくれるなんて」

「……黙って歩け」

「はい、リオンさん」

「陛下申し訳ございません。やり過ぎましたので医務室に連れて行くために先に下がらせていただきます」



七将軍の方々に一礼してから立ち去ろうとした時、ドライデン様がすれ違い際に傷に触らないように肩を叩いてくれた。



「リオン相手によくやった」

「っ!」

「傷が癒えてから結果を私の所に聞きに来なさい」

「はい、ありがとうございますドライデン様」



本当に人生で初めて、本気で頑張った。その結果は負けだった。本気で頑張ったのに駄目だった。今更悔しさがこみ上げてきて涙が溢れてきた。悔しい。本当に情けない。あれだけ大見得切ったのに。リオンはかすり傷で俺はこんなにも歩けないほどボロボロだ。
医務室に着くまで泣いていた俺をリオンはただ黙って支えてくれていた。





数日後、ドライデン様より合否を俺は貰った。結果的には「その客員剣士承認試験は駄目」だった。けど、しっかりと剣術をもう少し磨き上げ半年後もう一度試験を受けれるチャンスを用意するとの事。何名かの上級兵や一般兵達の懇願、それにドライデン様自身がこのチャンスを提案して下さり、何よりも今回のは余りにも内容が酷く正当な客員剣士としての資格の承認をしろとリオンが訴えていた。本人に後で聞いても「今回試験の内容が不当だったから訴えただけだ」と言われてしまった。

そして、俺は半年の間、毎日剣術稽古に費やすことになる。その間の教えはヒューゴ様が何故か急に今度は正式に推薦すると言い出し、そのためリオンからみっちり鍛えられることになる。リオンからの教えを受けるため、お世話になっていた兵舎からヒューゴ邸へと移動し、俺は初めてマリアンと顔を合わせた。
半年後、正式なヒューゴ・ジルクリストとリオン・マグナスからの推薦として俺は2度目の客員剣士の試験を受けることになる。その数日後俺は「セインガルド王国客員剣士」として任命式を受けることになった。

これが俺の初めてリオンと剣を合わせた試合であり、セインガルド王国客員剣士として任命されたお話。


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あきゅろす。
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