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最強ツンデレの敗北
ロ.ろくに見もしない
その日、オレ達は下忍になった祝いに遊んでいて、たまたま団子屋に入っていた。

「あぁ!あいつってば!」

「なんだ?」

オレが声を上げるとオレの指先を追うキバ。
団子を食いつづけるチョウジと、めんどくせーと言いながらシカマルも、目線だけそちらに向ける。

「いつだったかアカデミーの図書室で見たんだってばよ」

「あれって、1級上のテンテンさんとユメさんだろ?」

「え、キバ知ってんの?」

団子屋の奥の席に座っていたのは、額あてをした女忍者2人。
そのうちの一人は、前に見た時は夕陽に染まっててわかんなかったけど、綺麗なグレイの髪を2つに結んだ、かっわいい女の子。

「知ってるもなにも、有名じゃねーか。知らねーの、ナルト?」

「え?え?」

「ユメさんは特にねー」

マジ?チョウジまで知ってんの?

「テンテンって‥あの髪だんごにしてる方な、1級上の日向ネジって奴と同じ班のくの一だ。
その班は木の葉の若手ではNo.1って言われてる班だから注目されてる。
んで、もう一人の方が同じく1級上のアイドル、眠利ユメ」

「アイドルぅ!?」

「うっせーな。
そう言われてんだよ」

「そうだぜ。
実力、見た目ともに女の中でNo.1ってな。あのイノも負けを認めたらしい」

「ええーあいつがNo.1んん?」

「ナルトは可愛いとは思わないの?」

チョウジの奴まで、あの女が可愛いとか言い出す。

「たしかに最初は、ちょっとカワイイとか思ったけどよー‥
あいつ感じ悪いし、
サクラちゃんのがカワイイってばよ」

本当に、あいつすごい感じワリぃんだからな!

「ま、好みは人それぞれだしよ」

キバも騙されてんのか‥。

「本当に、あいつ強ぇの?」

「‥全く。
1級上ですでに中忍になってんのは眠利ユメ1人だけだ。中忍試験を下忍になってすぐに担当教官がノリで受けさせたら、見事一人だけ合格したって話。一番期待視されてた日向ネジより先に中忍になったもんだから大人は驚いたらしいぜ」

「すげーなシカマル」

「はー‥誰でも知ってるっての。バカ。知っとけ」


んー。
要するに、すごい忍者で、ついでにカワイイからアイドルってことか?


「これから任務なのよねー」

「ガイ班で?」

「それ以外ないわよ、ていうか、決まった班以外でいろいろ組んで任務してるのは同期の中でユメだけなの」

「ふーん?」

「もう、相変わらず、周りに興味ないんだから」

2人が店を出るらしく、オレらの方へ近づいてきた。

「じゃあネジによろしくね」

「ネジにだけ?リーもいるわよ?」

「あらテンテン。私だってそのくらい知ってますー。でも、
リーによろしくしていいの?」

「‥‥べ、べつに言ってみただけだって。
リーはともかく。ネジには、たまに会ってあげなさいよ」

「ちゃんと会ってるわ、たまにはね。おばあちゃんがご飯に呼びたがるから」

オレらの方を見もしない2人。

(コイツがアイドルぅ?
なんか、ムカつくってばよ。)

「やいやいやい!」

「‥なに?」

テンテンとかいう方が、先にオレを振り返る。
ユメはゆっくり振り返ると「テンテンの知り合い?」とか聞いてやがる。

「オマエだってばよ!眠利ユメ!」

「‥私に何か?」

「オマエってばスゲー忍者でアイドルとか言われてんのかもしんねーけどなぁ!調子に乗るのも今のうちだってばよ!」

よし!言ってやった!

「ちょっとー、ユメの知り合いなんじゃない」

「‥‥‥‥‥誰?」

(くっそー!もしかしなくてもやっぱり覚えられてねー!)

「オマエなんかよりサクラちゃんのがカワイイし!
オマエってばオマエってば、感じワリぃじゃん!
それになぁ!オマエなんかよりオレのが強くなるんだからな!」

「そう‥がんばって」

一言。振り返りもせずにオレに一言言って、眠利ユメは去って行った。

(なんだあいつ!)

キバ達は、「オマエ、本当バカ!」とかってげらげら笑ってて。
あんな女に騙されてるお前らの方がバカだってばよ!



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