短編 10 「待って、もうちょっと……」 「もっ、早くしろよぉっ…!」 「ご、ごめん…!」 見ず知らずの人間にかなりわがままなことを言っているけど、もう精神的にも肉体的にもぼろぼろだった。涙を零しながら、子どもみたいに泣き喚いてしまう。 「っ、解けた!」 ようやく解いてもらって自由になった途端、這うように脱ぎ捨てられた服の下へ向かった。早くここから、この場所から出たい。 けど焦る気持ちで服を身に付けようとした瞬間、後ろから抱きすくめられた。そして縛られたままの自身に手が伸ばされる。敏感になっているそこは触れられるだけで感じてしまうのに。 「ひぅっ、んっ!」 「待って、こっちも解かないと」 「やぁっ、いいからぁっ!も、帰るっ…!」 確かにイけなくて苦しいけど、それよりもこんな所にいる方が嫌だ。それに早くしないと、あいつらが戻ってくるかもしれない。 「でも、このままじゃろくに動けないよ」 「やっ、はなせっ…!やだっ…ひぁぁっ!」 根元を縛っていた布を取られて、大きな手で激しく抜かれた。媚薬で敏感になった自身には刺激が強過ぎて、塞き止められていたモノが一気にせり上がってくる。 「ほら、イッて…?」 「やっ、だめっ…ぁ゙っ、ぁぁぁぁぁっ!」 頭の中が真っ白になって、呆気なくそいつの手に放ってしまった。 「ぁっ…は、ぅ……」 力が抜けて、ぐったりとそいつに身体を預ける体勢になる。 (も、はやく……) けど、治まるはずの熱は一向に治まる様子がなかった。 「ゃっ…な、でっ…!」 むしろ、身体の疼きは酷くなっていく。見ると、イッたはずの自身がまた緩く勃ち上がっていた。 そして、それよりも苦しいのは……。 「ぁっ、ナカっ…あついっ…!」 「えっ?」 散々弄られたナカが、熱い。めちゃくちゃに掻き回したくなるほど。 (我慢、できないっ…!) 上半身を床に付けて、尻だけを上に突き出す体勢になる。息を乱しながら、二本の指を後ろに突っ込んだ。 「んぁぁっ、ぁっ…!」 「っ…!」 真後ろでそいつが見ているとか、もうどうでも良かった。 気持ち良い。夢中で指を出し入れする。 でも物足りない。さっきみたいな強い快感じゃない。もっと……。 もどかしく腰を振っていると、いきなり指を引き抜かれて、別の指が押し入ってきた。 「ひぁぁぁぁっ!」 自分よりも太くて長い指に内壁を擦り上げられて、またイッてしまう。 [*前へ][次へ#] |