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短編集・読み切り



 しかしそんなオレの気遣いに気づいても

いないような顔で岡本は呟いた。


「…少しでも高取君の傍に居たい」


 やはり飼い犬は飼い犬だったらしい。

 飼い主の傍に行けるならその他大勢は本

当に空気よりも軽いらしい。

 いくらなんでもそこまでいくと人として

ヤバイだろうと思うのだけれど、まともだ

った岡本をその道に引きずり込んだのは誰

だという所まで考えると何も言えなくなる。

 溜息をつきながら島崎に視線をやると島

崎も困ったような複雑な表情をしていて、

お互いに黙って頭や頬を掻くしかなかった。

 ぼんやりと座り込んでいる岡本をそのま

まにしておくこともできずに、廊下を歩け

るだけ身支度を整えてやる。

 気づくと島崎は放心状態の岡本と顔を合

わせ辛いのか床の掃除を始めていて、仕方

なく岡本の手を引いてトイレへ連れて行っ

た。





「さて…なんでここに来たのか解ってるよ

 ね、島崎?」


 その日の放課後、いつものたまり場にさ

っさと帰ろうとした島崎を連行してくる。

 机の上に座って目の前で苦笑いを浮かべ

ている島崎を見ている気分は実に清々しい。


「み、ミツ…?

 あの、アレ、本気だったの…?」

「冗談だとでも思ったの?」


 怯えた様子で逃げ腰になっている島崎に

笑顔で尋ね返してやり、昼休みの間に没収

しておいた媚薬入りのローションを横に置

くとあからさまに島崎の表情が凍りついた。


「ほら、さっさと脱ぎなよ」

「え…いや、そんな…」

「あれ、聞こえなかった?

 脱げよ、島崎」


 笑顔の脅しにまだ大丈夫だと思っている

のか島崎がまだモゴモゴと言い訳する。

 だからその島崎のネクタイを鷲掴みにし

てグイと引き寄せた。


「身勝手な偽善振りかざされて、媚薬入り

 のローション使って皆の前で突っ込まれ

 た岡本に比べればどうってことないだろ?

 さっさと脱げって」


 リードを引かれた犬のように大人しくな

った島崎は、渋々と言った顔でベルトに手

をかける。

 高取や岡本はさっさと帰ってしまったし、

他のメンツはヒデに誘われて遊びに繰り出

してしまった。

 放課後にこの教室を訪れる者はいないだ

ろう。

 それでも1人脱ぐことに抵抗があるのか、

島崎の動きはやたらと鈍い。


「ミツはいつからそんなに岡本に肩入れす

 るようになったんだよ?」

「肩入れなんかしてないよ。

 ただ島崎が今までしてきたことを棚上げ

 して岡本が可哀相って考えをオレや岡本

 に押し付けてきたのが気にくわないだけ。

 岡本にとって高取が特別だってことなん

 かずっと前から解ってたじゃん」

「べ、別に押し付けてなんか…わっ、零れ

 るっ」


 ブツブツと不満げに呟く島崎の股間に媚

薬入りのローションを垂らしてやると、チ

●ポの上にかからなかった分を下着や制服

の上に零すまいとした掌が受け止める。

 ある程度垂らしたところでローションの

キャップを閉じた。


「押し付けたからこんなものまで使って皆

 の前で犯したんでしょ?

 それとも岡本が犯してくださいって頼ん

 だの?

 …シ●れよ」


 “違うよね?”と見上げてやると島崎は

それ以上何も言えなくなったらしく、ロー

ションを受け止めただけで動こうとしなか

った掌をせっつく。

 渋々といった感じで萎えたままのチ●ポ

を握った掌は、ローションを擦りつけるよ

うにして扱き始める。

 ローションの助けを借りた分だけ具合が

いいのか、おずおずという感じだった手の

動きがやがて熱中してきて頭をもたげたチ

●ポを絶頂へと導いていった。





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あきゅろす。
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