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悪魔も喘ぐ夜 Character Episode
*


「うん。もちろん。

 洞窟の奥にね、小槌があるはずなんだ。

 “うちでのこづち”で体を小さくすれば

 その首輪から逃れられるし、ぼくが背中

 にのせて運んであげるよ」


 うちでのこづちって…。

 ま、まぁでもこのチャンスを逃したらず

っと逃げられないかもしれないしっ


『青年は急いで洞窟の中に戻ると、龍神の

 荷物をあさってうちでのこづちを探し当

 てました。

 それでコツンコツンと叩くと体がみるみ

 る小さくなり、小鳥と変わらぬほどのサ

 イズになる頃には首輪はぶかぶかになっ

 て地面に落ちました』


 よしっ!

 これで逃げられる!


『青年は小鳥の元に駆け戻って、その背中

 に飛び乗りました』


「頼むっ!」

「じゃあ行くよー!」


『小鳥は軽々と飛び立ち、風に乗って山を

 いくつも越えました。

 青年は強風に振り落とされないように必

 死で景色を楽しむ余裕もありませんでし

 た』


 あ、あれ…?


『小鳥の背中にのって辿り着いたのは青年

 が知っている村…ではありませんでし

 た。

 柔らかな葉っぱのベッドの上。

 小鳥のベッドです』


 えぇっ!?

 なんでっ!?





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あきゅろす。
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