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悪魔も喘ぐ夜 Character Episode
*


『どうどう。

 とりあえず水浴びして頭冷やしてきなさ

 い』


 ………!

 龍神も変な声もムカツク!!


 洞窟の外には美しい川が流れていて、日

の光を反射して水がキラキラと光ってい

た。

 水は冷たかったが汚れた体を洗っている

となんとなく気分もスッキリしてくる。



 バサバサバサッ


 鳥の羽ばたく音がしたと思ったら、上流

の浅瀬で小鳥が水浴びしていた。

 ただし金色の。


「あっ、龍神様のところに人間が来てる!

 珍しいね。何年ぶりかなぁ?」


 金色の小鳥は丁寧に羽根の水けを払うと

こちらに気づいたのか近くまで飛んでき

た。


 とっ、鳥がしゃべった!?


『うん。童話ではよくあることだよ』


 ………。


「あっ、それ龍神様のお気に入りの首輪だ

 ね?」

「お、お気に入り…?」

「うん。龍神様が気に入った人間につける

 首輪だよー。それつけてもらわない人間

 は何日も生きてないかな」


 い、生きてないって…。

 え神さまが人殺しするの?!


『そういう“神様”も確かにいるねぇ。

 見殺しにする神様もいるし』


 そんなの神様でもなんでもないじゃない

か!!

 俺、そんな奴のところにいるの嫌だ!!


『いや、あの龍神が君にそうするとは…』


「この首輪っ、取れないなぁ。

 なんとかならないのか…」

「逃げたいの?」

「もちろん!」

「じゃあぼくが助け出してあげる」

「えっ?!逃げられるのかっ?」


 思わず聞き返すと小鳥は自信ありげに胸

をはった。





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