悪魔も喘ぐ夜 Character Episode
*
「ほら、ここを。
その指でこの穴を解すなら、キスの続き
をしてもいいですよ」
まさかとまだ信じられない俺の濡れた指
先を兄貴は親切に後ろの穴にあてがう。
もうそうなってしまえば誤解のしようも
なくて、勘違いではない事を悟るしかなか
った。
「そんな、自分でなんてっ」
「キスで自分だけ気持ち良くなるつもりで
すか？
欲情して辛いのは自分だけだなんて思っ
てませんよね？」
兄貴の目に既に獣の光が宿っているのに
気づいて、俺はそれ以上何も言えない。
キスだけで達してしまえる俺とは違う。
兄貴にも気持ち良くなって欲しかったら
兄貴の言う通りにそこを解して奥まで兄貴
のを受け入れなければ。
ドクンッ
兄貴の猛りと体の奥を突き上げられる快
楽を体が思い出す。
キスとは違う、体の奥までいっぱいにさ
れ敏感な場所を繰り返し抉られて頭が真っ
白になる強烈な快楽。
指で触れている蕾がヒクンと震えた。
「でもキスしながら弄ったらイッちゃう…」
まともに自分でそこを弄ったことはない
けど、兄貴の唾液まみれの指先を擦りつけ
るだけでそこがどうなるか知っている。
「心配しなくても、ちゃんと締めていてあ
げますよ」
自分の指も同じように唾液まみれにした
兄貴は、蕾にあてがったまま動かずにいた
俺の指の上に指をのせた。
くにくにと様子を伺うように俺の指の上
から窄まりを押されると、兄貴の唾液に濡
れた縁は早くも熱をもって自分の指先を呑
み込もうとする。
いつもそうやって兄貴の指を咥えこむの
だと思い知らされて、逃れようのない羞恥
が全身を染めた。
「ほら、もう欲しいみたいですよ、ここは」
つぷっ
「あぁっ」
兄貴の指先に押し込まれるようにして第
一関節が窄まりの中に潜り込んでしまって、
驚いて声が出てしまう。
即座に指先を締めてきた蕾は、もっと奥
へと誘うように締め付けを緩める。
そのタイミングを計ったように、今度は
兄貴の指先が中へ入り込んできた。
「あッ、待ってっ」
「待ちませんよ。
指一本じゃ足りないでしょう？」
いきなり二本分の指を咥えこまされた蕾
が慣れるのを待たずに、ずぶずぶと兄貴の
指先が奥の方まで俺の中をいっぱいにする。
久しぶりにそこに受け入れる心の準備な
んて待ってくれない。
ちょっとでいいからと思うのに、それが
言葉になるより早く兄貴の長い指はそこに
到達した。
「あっ、そこや…ッ」
兄貴の指先を喜んで締め付ける媚肉の奥、
その敏感な場所を擦られてしまうと、俺の
意志とは関係なくビクビクと腰が震えた。
けれど今にも達してしまいたい股間をも
う片方の手で握り込まれて股間の熱は出口
を塞がれたまま燻った。
「ほら、キスしたいんでしょう？
もっと奥まで指を入れて拡げないと」
「あっ、そこ擦ちゃ…ッ！」
決して達することのできない俺の体の奥
を攻め立てて兄貴は笑う。
でももうその言葉に返事をする余裕もな
くイケないと分かっていても腰が揺れる。
そこを擦られる度に自分の指ごと兄貴の
指を締め付ける窄まりは細い指先さえ痛い
くらいに締め付けてきた。
ここを自分の指で拡げて、ここに兄貴の
猛りを受け入れるのだ…そう思うだけで頭
から火を噴きそうになる。
もうキスどころではなくなってしまった
けど、ヒクヒクと震える窄まりは敏感な場
所を攻めたてられて解けていき、もっと圧
迫感を欲しがりだす。
兄貴の唾液にまみれた指で掻き回される
度にグチュグチュと音を立てるそこは、粘
膜に唾液を擦り込まれて熱をもち兄貴の指
と俺の指を締め付けてもっととせがむ。
もっと太くて、もっと熱いモノで奥まで
いっぱいにしてグチャグチャに掻き回して
ほしい。
体が羞恥に喘ぐ心を置き去りにして快楽
を追い始める。
それは泣きたくなるほど恥ずかしいけれ
ど、溶けかけの理性ではもうどうすること
も出来なかった。
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