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悪魔も喘ぐ夜 Character Episode
*


 もっとしてほしいと思ってしまう自分を

不思議に思っている間に莉華の手がパジャ

マのボタンを1つずつ外していた。


「りっ、莉華?!

 そこまではまだ早いって…っ」

「さっきお風呂で触ったじゃないですの」


 まさかさっきもそんなつもりで触ってた

の?なんて怖くて聞けない。

 胸が柔らかいパジャマの締め付けから開

放されるとすかさず莉華の手が延びてきて

胸を包み込むように触れて頬擦りしてくる。

 その肌の下で心臓が煩いくらい暴れてい

るのに莉華は気づいているんだろうか。


「やっぱり大きい。

 大きい胸に憧れていたのは本当ですけど、

 それ以上に男子がいやらしい目で恵を見

 るのが一番嫌でしたのよ?」

「えっ…えぇっ?

 それはないでしょ。

 まさか、そんな目で見てる奴なんて」

「甘いですわ、恵っ。

 アイツらは飢えたケダモノですのに。

 だから恵に変な虫がつかないようにずっ

 と目を光らせてたんですもの」


 莉華が力説するのを勢いに圧倒されて黙

って聞いていたけど、きっとその辺りは莉

華の不安が過剰に反応した結果なんだと思

うことにした。


「これでやっとちゃんと触れますのね」


 黙っているのを勘違いしたのか莉華は頬

擦りしながらマッサージするように揉み始

めて、胸に点々とキスをしては歯形がつか

ないくらい弱く吸い上げることを繰り返し

た。


 トクン、トクン…


 何をされるのか分からない恐怖と莉華と

の関係がどう変化してしまうんだろうとい

う不安が遠のいていくと、そっと傷つけな

いように触れてくる莉華の唇がくすぐった

い。

 愛しいような気持ちが小さな花を咲かせ

て、もっと触れてと次のキスを待ってしま

う。

 従姉妹なのにとか、幼馴染なのにとか、

そういう気持ちは今はどこかに引っ込んで

しまったようだ。

 答え合わせが目的なのにと思う一方で、

もっと莉華に触れてほしいし莉華の気持ち

を知りたいとも思う。


「んっ…」

「気持ちいいんですの?」

「わかん、ない…」


 胸の奥でトクトクと鳴る鼓動が気づかな

いくらいゆっくりと熱を帯びていく。

 莉華にこんなことをされても嫌ではない

けど、従妹でも幼馴染でも親友でもない顔

をしている莉華に対する戸惑いや緊張はあ

る。

 これから莉華が何をしようとしているの

か、自分がどうなってしまうのかを考える

のはほんの少し不安だ。

 莉華はどこまでしてしまうつもりなんだ

ろう。

 そして私はどこまで莉華を受け入れてし

まうんだろう。

 そうして夜が明けたら、まだ私達は笑っ

て隣にいられるのだろうか、と。


 ちゅっ


「んっ、ぁ、そこはっ…」


 胸のあちこちに触れていた唇が、遂に胸

の突起に触れて、あっと言う間もなく私の

胸に顔を埋める莉華の口内に消えた。

 初めて感じる莉華の唇も舌も生々しくて、

高まり過ぎた鼓動を吐息で逃がしながら莉

華の口内で突起が敏感になっていく。

 初めて知る唇の内側の粘膜の弾力や舌に

舐められる感触。

 吸い上げられると甘い痺れが背中まで撫

で、合間に突起にかかる吐息の熱も伝わっ

てくる。

 ただ擽ったかっただけだったのに、そこ

に一種の熱と痺れが混ざり始めた。


「気持ちいいんですの?」

「わかんな…っ、んんっ」


 震える呼吸を誤魔化したくてもうまく出

来ない。

 擽ったさがじわじわと熱を帯びて別の感

覚にすり変わっていくようなもどかしさ。

 鼓動と震える息のリズムが重なり始め、

それを乱す莉華の唇や舌にはもう肌の下の

鼓動の早さはとうに勘づかれているかもし

れない。

 恥ずかしさだけではない熱が莉華の触れ

る場所から体中へ巡っていく。


「ふふっ…可愛いですわ、恵。

 乳首を可愛がっているだけなのに、気持

 ちいいんですのね」

「これは、ぁっ…!」


 私の胸元から顔を上げずに莉華が喋ると

莉華の唾液に濡れて尖る突起に吐息と歯先

がかすって私の体の熱を煽る。

 言い訳をしようとした矢先に再び突起を

強く吸い上げられつつもう片方の突起を指

で摘まみ上げられると、気持ちいい感覚が

電流みたいに胸から股間に走って反射的に

膝を閉じて擦り合わせてしまう。

 じんわりと小さな湿り気を下着に感じ、

それが何か自覚した瞬間に一気に熱が頭の

先まで上って顔が茹った。


「恵がこんなに敏感だなんて知りませんで

 したわ。

 恵がこんな表情を浮かべることも」


 楽し気に笑う莉華の掌が私の頬を撫でる。

 あたしだってこんな事になるなんて思っ

てもいなかった。

 最初から分かっていれば答え合わせをし

ようと言い出した莉華に流されたりはしな

かったのに。





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あきゅろす。
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