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悪魔も喘ぐ夜 Character Episode
*


 翌日の午後、両親にリビングへ呼ばれ

た。


 駆と麗の気配はない。

 外に遊びに行ったのだろう。


「……」

「……」


 事情の全てを聞き終わって、両親は暫く

黙りこんでいた。

 互いに顔を見合わせて、何かを言いあぐ

ねているようだ。


 しかし、やがて意を決したように母さん

が口を開いた。


「この話は…秀が高校へ上がる前には話し

 ておこうと思っていたことなのだけれど

 ね…」


 そう切り出された母さんの話は、にわか

には信じられないような話だった。


 淫魔という種族、母さんの家系、父さん

とのなれ初め、そして生まれた第一子…他

でもない自分のことだ。


 人間に限らず他者の精気を糧に生きると

いう淫魔には、人間にはない様々な能力が

あること…。


 そして…もし仮にその力を無意識に使っ

たのだとしたら、あの女の行動も理解でき

なくはない、と。


 吐き気がした。

 そんなことがあるはずもない。

 もし仮にその能力を自由自在に操れたと

して、爪の先ほどもあの女に使いたいとは

思わない。


 具合が悪いと言って二階に引き取り、二

段ベッドの上段に体を横たえた。



 ただの可能性の話だと言われても納得は

できなかった。






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