悪魔も喘ぐ夜 Character Episode
*
「“雨乞い”と聞こえましたが…。
龍神である僕の都合を伺いもしないで、
眠りを妨げてまで雨を降らせてもらおう
と?そんな身勝手極まりない願い事な
ど、叶えてやらなければならない義理は
ありませんよ?」
い、行けって言われたから来たのに…。
しかし不機嫌そうな顔の兄貴に上から下
までジロジロと見られながら言い訳なんか
できるわけもない。
言い訳をしようものなら逆鱗に触れる。
「それに…よく見れば供物もないではない
ですか。
あぁ…分かった。人身御供ですね?」
こっちは何を言っているのかもよく分ら
ないのに、兄貴…に似た龍神は何かを察し
たように表情を一転させて笑った。
「あぁ、解りました。
この前失敗したから、それで学んだんで
すね?
行儀の悪い連中に寝所を荒らされた時は
洞窟ごと潰してやろうかと思いましたけ
ど…なかなか賢いではないですか、人間
も」
…もしもーし?
俺、言ってること全っ然わからないんだ
けど…?
満足そうに俺の体にベタベタと触りなが
ら検分する兄貴…に似た龍神。
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