悪魔も喘ぐ夜 Character Episode * 「“雨乞い”と聞こえましたが…。 龍神である僕の都合を伺いもしないで、 眠りを妨げてまで雨を降らせてもらおう と?そんな身勝手極まりない願い事な ど、叶えてやらなければならない義理は ありませんよ?」 い、行けって言われたから来たのに…。 しかし不機嫌そうな顔の兄貴に上から下 までジロジロと見られながら言い訳なんか できるわけもない。 言い訳をしようものなら逆鱗に触れる。 「それに…よく見れば供物もないではない ですか。 あぁ…分かった。人身御供ですね?」 こっちは何を言っているのかもよく分ら ないのに、兄貴…に似た龍神は何かを察し たように表情を一転させて笑った。 「あぁ、解りました。 この前失敗したから、それで学んだんで すね? 行儀の悪い連中に寝所を荒らされた時は 洞窟ごと潰してやろうかと思いましたけ ど…なかなか賢いではないですか、人間 も」 …もしもーし? 俺、言ってること全っ然わからないんだ けど…? 満足そうに俺の体にベタベタと触りなが ら検分する兄貴…に似た龍神。 [*前][次#] |