悪魔も喘ぐ夜 Character Episode
*
『それはよかった。ではサクサク話を進め
ます。
夕方になりました』
今っ!今3秒で夕陽になった!!
『お伽話とはそういうものなのです。
気にしないように』
…………。
「さぁ、夕飯よ。たんとお食べ」
気が付くと母さんにお椀を差し出されて
いた。
「え?あぁ、ありがと…」
受け取ったのは味噌汁…のようだったけ
ど、具は大根の茎と皮だけ。
すすってみると味噌が少ないのか塩分が
足りない気がした。
しかもそれ以外には何も用意されていな
いようだ。
えーと…?
「母さん…?夕飯、これだけ?」
「えぇ、そうよ?何言ってるの。
早く食べなさい」
「雨が降ればねぇ…。
こんな貧しい食事にはならないんだけれ
ど。ごめんよ、こんなものしか食べさせ
てあげられなくて…」
肩を落とす父さんの顔を見て、こっちが
罪悪感に襲われた。
「あ、そ、そうだよなっ!
雨さえ降ればいいんだ。
父さんは何も悪くないよ!」
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