悪魔も喘ぐ夜 Character Episode * 『それはよかった。ではサクサク話を進め ます。 夕方になりました』 今っ!今3秒で夕陽になった!! 『お伽話とはそういうものなのです。 気にしないように』 …………。 「さぁ、夕飯よ。たんとお食べ」 気が付くと母さんにお椀を差し出されて いた。 「え?あぁ、ありがと…」 受け取ったのは味噌汁…のようだったけ ど、具は大根の茎と皮だけ。 すすってみると味噌が少ないのか塩分が 足りない気がした。 しかもそれ以外には何も用意されていな いようだ。 えーと…? 「母さん…?夕飯、これだけ?」 「えぇ、そうよ?何言ってるの。 早く食べなさい」 「雨が降ればねぇ…。 こんな貧しい食事にはならないんだけれ ど。ごめんよ、こんなものしか食べさせ てあげられなくて…」 肩を落とす父さんの顔を見て、こっちが 罪悪感に襲われた。 「あ、そ、そうだよなっ! 雨さえ降ればいいんだ。 父さんは何も悪くないよ!」 [*前][次#] |