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悪魔も喘ぐ夜 Character Episode
*


 もう言い訳も出来ないほどあっけなく

て、自分で擦るよりよっぽど早い反応に俺

もいい加減に観念するしかなかった。


「あんまりしたら、ぅっ、イッちゃうか

 ら…っ」

「イッてもいいよ?

 僕が兄さんの全部飲んであげる。

 知ってる?

 兄さんのはどんなお菓子より、果物より

 甘いんだよ?」


 先にイキたくなくて先走りを零しながら

も耐えている俺に、麗は目を細めてそう言

いながらパジャマの上から擦り続ける。


「あっ、やっ、ホントに出る、からっ」


 麗の唾液の効果なのか、それともちゃん

と刺激されるのが久しぶりだからなのか、

堪えようとしても麗が手を止めてくれなけ

ればあっけなく出してしまいそうだ。

 嫌だと首をふる俺の額にキスをして、麗

が布団の中に潜っていく。

 先走りで濡れる高ぶりが窮屈な布の圧迫

から解放されたのは間もなくで、ほぼ同時

に生温かい口内に包まれていた。


「うっ、あぁッ…!」


 咥えられたのだと気づいたけれど、腰を

引く前に先端を咥えたまま吸い上げられ数

回指で扱かれただけであっけなくその口内

に放ってしまった。

 脱力感が全身を襲い、ぐったりとする俺

の体の上から布団がよけられる。

 布団の中から出てきて顔を上げた麗の口

の端には白濁が残っていて、それも勿体な

さそうに舐めとる姿にどうしようもないほ

ど羞恥を掻き立てられた。


「すごく甘い…。

 今までで一番甘いかも。

 僕、お菓子は卒業できても、これだけは

 一生やめられないと思う」


 まるで酔ったような恍惚とした表情で麗

は笑うけど、その姿はそのへんのグラビア

アイドルでは敵わないほど妖艶だった。

 まだ幼さを残す綺麗な顔立ちの青年がこ

れほどまでに妖しく艶やかな表情を浮かべ

ると、存在そのものが絵画や写真には収ま

りきらない完成された美のようだった。

 それなのにその目に映るものも、泣くほ

どに好きだという相手も俺だなんて、それ

こそ夢じゃないのかと疑いたくなってしま

う。


「一緒にイキたかったのに…」

「ごめんね?」


 形ばかり不満げに唇を尖らせたら、リッ

プ音を響かせてキスされた。


「力、抜いててね?」


 麗の言葉に頷いて股をM字に開くと、麗

は腹這いになって顔を近づけてきた。

 それにしてもやけに近い…と思った時に

はもう生温かい濡れた感触が蕾を撫でてい

た。





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あきゅろす。
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