[携帯モード] [URL送信]

悪魔も喘ぐ夜
*


 とにかく家に帰って落ち着こう。

 お風呂に入って、兄貴と麗には大人しく

してもらって、母さんに話を聞かないと…

…。


 しかし散々穿たれた体は予想以上のダメ

ージを負っていて、休み休み帰りついた時

にはもう日が落ちかけていた。
 

 景色が薄暗くなるなか、家が見えるとそ

の玄関先に人影が見えた。


「麗…?」

「あ、お兄ちゃん!!」


 不安げな顔が俺を見つけて駆け寄ってきた。

「お兄ちゃん大丈夫!?

 どこも怪我してない!?

 今までどこ行ってたの!?

 あれ、荷物は!?」


 一気にまくしたてられて返事ができずに

苦笑いを浮かべた。


「そんなにいっぺんに聞かれても答えられ

 ないから…。とにかく家に入ろう。

 ちょっと今日は疲れた…」


 まだ不安げだが、とりあえず俺の姿を見

て安心したのか麗は素直に頷いた。





[*前][次#]

あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!