悪魔も喘ぐ夜 * とにかく家に帰って落ち着こう。 お風呂に入って、兄貴と麗には大人しく してもらって、母さんに話を聞かないと… …。 しかし散々穿たれた体は予想以上のダメ ージを負っていて、休み休み帰りついた時 にはもう日が落ちかけていた。 景色が薄暗くなるなか、家が見えるとそ の玄関先に人影が見えた。 「麗…?」 「あ、お兄ちゃん!!」 不安げな顔が俺を見つけて駆け寄ってきた。 「お兄ちゃん大丈夫!? どこも怪我してない!? 今までどこ行ってたの!? あれ、荷物は!?」 一気にまくしたてられて返事ができずに 苦笑いを浮かべた。 「そんなにいっぺんに聞かれても答えられ ないから…。とにかく家に入ろう。 ちょっと今日は疲れた…」 まだ不安げだが、とりあえず俺の姿を見 て安心したのか麗は素直に頷いた。 [*前][次#] |